レッドブルでモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、先週末のF1開幕戦バーレーンGP決勝終盤にマックス・フェルスタッペンがルイス・ハミルトン(メルセデス)を先行させずに自分がトップチェッカーを受けていたとしても、ハミルトンの勝利というレース結果に変化はなかっただろうと考えている。
バーレーンGPでFIA(国際自動車連盟)のレース競技委員を務めていた元F1ドライバーのエマニュエル・ピロが今週、仮にフェルスタッペンがハミルトンを前に出さずにそのままトップチェッカーを受けていたとしたら“最大でも5秒のタイムペナルティ”が与えられていただけだったと語った。
だが、マルコは母国オーストリアの『Osterreich(エステルライヒ)』に次のように語った。
「マックスは先頭で走り続けて楽に5秒以上の差をつけられただろうと言ったよ」
「だが、その場合、彼ら(FIA)は10秒ペナルティを与えていただろうね」
しかし、優勝こそ逃したとは言え、マルコも今年の開幕戦では大きな手応えを得ることができたようだ。これまではあまり強さを発揮することができていなかったバーレーンでフェルスタッペンが予選までは完璧とも言えるパフォーマンスを見せていたためだ。
ついにかつてと同じように「F1タイトルを狙うことができる」という感触が得られたと語ったマルコは次のように続けた。
「それですごく安心できたよ」
「だが、そのせいで我々はかなり有頂天になっていたのかもしれない」
実際のところ、日曜日になるとフォーメーションラップ中にセルジオ・ペレスのマシンにトラブルが発生したのを始め、フェルスタッペンもレース中にディファレンシャルギア関連のトラブルに苦しめられていた。
マルコは、レッドブルは日曜日の気温がそれまでよりもかなり低くなったことに「適切に対応できていなかった」のだと語り、次のように続けた。
「最後にはマックスの不運な追い抜きもあった。こういうミスから学ぶ必要がある」
「メルセデスを倒すためには完璧であることが必要なんだ。ハミルトンが非の打ちどころのないレースをしたことは認めざるを得ないからね」
一方、今週レッドブルのチーフエンジニアを務めるポール・モナハンが、イモラ・サーキットで開催される第2戦エミリア・ロマーニャGP(18日決勝)に向けて「いくつかの開発を進めている」と語ったと報じられた。だが、マルコはそれはあまりたいしたものではないと次のように語っている。
「イモラでの我々のクルマはバーレーンのものとそれほど違わないよ。最初の大型アップデート投入はポルトガルでの第3戦(5月2日決勝)になるだろう」