F1カナダGP(第7戦)でF1初優勝を遂げたダニエル・リカルド(レッドブル)の次なる目標は今季のF1タイトル獲得かもしれない。
現在今週末に開催されるル・マン24時間レースの準備に取り掛かっている前任者のマーク・ウェバーも、同郷オーストラリア出身の後輩ドライバーの活躍を大絶賛している。
ウェバーは、『NBC』に対し、「彼(リカルド)は今季ここまでまったくミスをしていない」と語ると、さらに次のように続けた。
「ここまでレギュレーションによる試練や、雨の予選など、さまざまなことが彼に投げかけられた。だが初優勝を達成したことは彼にとって大きなステップだ」
24歳のリカルドは、4年連続チャンピオンであるチームメートのセバスチャン・ベッテルが今季のF1カーに苦しんでいるのをしり目に、まさに絶好調の波に乗っている。
そして、このリカルドの勢いは今後も止まることはなさそうだ。リカルドは開幕戦では2位でゴールしながらも失格、続く第2戦マレーシアGPではリタイアに終わったものの、その後バーレーンGP(第3戦)以降は常に4位以上をキープ。そして直近3レースではカナダの優勝を含み、すべて表彰台フィニッシュを達成している。
レッドブルのドライバー育成責任者であるヘルムート・マルコは、『Auto Bild(アウト・ビルト)』に次のように語った。
「単なる想像だが、もしダニエルが2レースでゼロポイントに終わっていなかったとしたら、彼はハミルトン(メルセデスAMG)ともっと近いところにいたはずだ」
事実、今シーズンはここまでメルセデスAMGが圧倒的な支配力を示しているものの、メルセデスAMGの2人のドライバーに続く3番手につけているリカルドは、7レースを終了した時点でポイントランキング2番手のルイス・ハミルトンにわずか39ポイントの後れをとっているだけだ。
2度F1タイトルに輝いた元F1ドライバーのミカ・ハッキネンもリカルドの活躍には感心している。ハッキネンは、『Hermes(エルメス)』のインタビューに次のように答えた。
「リカルドが一貫して彼の能力を最大限に発揮できていることに気付いているよ。予選でも、レースでも、追い抜きをかけるときにもね」
「彼のチームメートが4度F1タイトルをとったドライバーだということを忘れてはいけないよ。だが、これまで常に前でチェッカーフラッグを受けているのはリカルドのほうなんだ」
ハッキネンは、カナダでの勝利が今後リカルドにとってはさらに追い風になるだろうと次のように付け加えた。
「僕も、1997年にヘレスで最初の勝利を飾ったときに同じことを経験したよ。自信を得ると、それが自分のパフォーマンスに反映されてくるものなんだ」