ドイツの検察官がF1最高責任者のバーニー・エクレストンに対し、贈賄容疑で起訴する方針を固めたとの報道が行われたが、F1のオーナーたちはそれにもかかわらず、エクレストンをF1最高権威の座にとどめておくことを決議した。
今回の贈賄容疑については、エクレストンが、有罪が確定している元銀行家のゲルハルト・グリブコウスキーに対して数年前に4400万ドル(現在のレートで約45億円)を支払い、自身がF1最高責任者の地位にとどまるために、投資会社のCVCにF1の商業権を売却しようとしたという疑いが持たれている。
しかし、エクレストンは単に、グリブコウスキーに自身の税務問題についての秘密を暴露すると脅迫されただけだと主張している。
エクレストンは先週末ジュネーブで、『Sunday Times(サンデー・タイムズ)』紙に、CVCの責任者たちが、ドイツでの起訴の影響を議論するために会合を開いたと次のように語った。
「全員が、私がこの地位にとどまり、ビジネスを展開することを支援すると投票してくれたよ」
「取締役会は、有罪判決が下されない限り、私が留まるべきだと合意した」
エクレストンは、ドイツでの起訴について「まったくばかげたことだ」とはねつけている。
しかし、エクレストンは、F1ビジネスに詳しい『Guardian(ガーディアン)』のクリスチャン・シルト記者に対し、まだ正式に起訴状を受け取ってはいないものの、ドイツの検察官は起訴を進めるだろうと思っている、と次のように語った。
「彼らがそうしないことを期待するが、彼らはやると思うよ。そうなれば、どうなるか様子をみるしかない。それは裁判になるという意味ではないがね」
事実、『Reuters(ロイター通信)』は、数日前、検察官側はエクレストンに罰金を支払わせることでこの事案を解決しようとするかもしれないと報じていた。