2026年から正式にF1に参戦することになっているアウディだが、そのF1プロジェクト責任者が最初の2年はかなり「厳しい」ものになるかもしれないと語った。
アウディは現在アルファロメオというチーム名でF1を戦っているザウバーとコラボすることがすでに決まっている。
■最終的にはザウバーの株式75パーセント取得を目指すアウディ
アルファロメオとの契約が今季で満了するザウバーは、今年は『ステイク(Stake)』を新たなタイトルスポンサーに迎えることになっており、チーム全体を統括するのはフェラーリの新チーム代表に就任したフレデリック・バスールの後任として新たにザウバー・グループCEOに就任したアンドレアス・ザイドルだ。
ザイドルは、アウディとのF1プロジェクト準備がメインのタスクとなり、サーキットの現場でチームを率いることになるのはザウバーのマネジングディレクターでもあるアレッサンドロ・アルンニ・ブラヴィとなる。
そして、最近アウディがまだ少数ながらザウバーの株式を取得したことも明らかとなっている。ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』によれば、今回アウディが取得したザウバーの株式は25パーセントだという。しかし、アウディは2026年までには最終的に75パーセントの株式を取得し、ザウバーの新オーナーになる計画が進められているようだ。
伝えられるところによれば、ザウバーの現在のオーナーであるスウェーデンのフィン・ラウシングは残りの25パーセントをそのまま保持し、共同オーナーとして関係を継続していくことになるという。
■「最初の2年は苦戦するだろう」とアウディF1責任者
現在アルファロメオ(ザウバー)が搭載しているエンジンはフェラーリ製のものだが、2026年からはもちろんアウディが製造するF1エンジンを搭載することになる。
アウディはドイツのノイブルク・アン・デア・ドナウにあるファクトリーでF1エンジンの製造を行っていくことになると伝えられており、すでにかつてFIA(国際自動車連盟)の安全責任者を務めていたアダム・ベイカーがF1プロジェクト部門である『アウディ・フォーミュラ・レーシング』をCEOとして率いている。
だが、そのベイカーは、アウディのF1プロジェクトが最初からうまくいくとは考えていないようだ。オーストラリア生まれで、現在はドイツ市民権を持つベイカーは、このほど『DPA通信』に次のように語った。
「我々は現実的でなくてはならない。1年目と2年目は厳しいものになるだろうね」
アウディによれば、1974年生まれのベイカーは現在、2026年からのF1参戦に向けて「技術、戦略、運営、財務、それぞれのコンセプト」を策定しているところだという。