レッドブル首脳のヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)が、最近大きな話題となったF1の買収問題に関して疑問の声をあげた。
■買収問題を機にF1とFIAとの間に不和も発生?
最近、サウジアラビアの国有投資会社である『Public Investment Fund(パブリック・インベストメント・ファンド)』がF1オーナーのリバティ・メディアに対して200億ドル(約2兆6000億円)で買収を申し入れたとの報道が行われた。
リバティ・メディアは2017年に前オーナーの『CVCキャピタル・パートナーズ』からF1を46億ドル(現在のレートで約6000億円)で買収している。
そのF1の価値が今では4倍以上に膨れ上がったという報道に対してFIA(F1統括団体の国際自動車連盟)のモハメド・ベン・スレイエム会長が懸念を示し、F1の買収問題に介入することも辞さないとの姿勢を表明。
これに対してリバティ・メディアは、ベン・スレイエムがF1の財務に干渉することは「容認できない」として、強く反発している。
■F1所有権が中東に渡るのは好ましくない?
実際のところ、リバティ・メディアはサウジアラビアからの買収提案を断ったと伝えられており、これまでのところ、F1チームたちはこの問題についてほとんど反応を示していない。
しかし、こうした中、オーストリア出身の79歳となるマルコは、F1がサウジアラビアの手に渡るようなことになるのは好ましいことではないとの考えを示している。
「ほとんどのレースが行われる場所から文化的に異なる国に移ってしまうのは(F1にとって)あまりいいことではないだろうと思うよ」
ドイツの放送局『n-tv』にそう語ったマルコは、次のように付け加えた。
「それに、一般的にこうした商業的な問題に関しては、あえて言うならば、通常の企業基準を満たした相手との間で起こることが多いものだよ」。