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F1ドライバーの“政治的発言禁止”をバルテリ・ボッタスとヘルムート・マルコが批判

2023年01月30日(月)19:35 pm

アルファロメオのドライバーを務めるバルテリ・ボッタスと、レッドブル首脳のヘルムート・マルコが、FIA(国際自動車連盟)がドライバーたちの政治的発言を禁止したことに対して批判的コメントを行った。

■F1ドライバーの政治的発言を禁止したFIA

近年、ルイス・ハミルトン(メルセデス)や、2022年シーズンを最後にF1を引退したセバスチャン・ベッテルなど、社会的・政治的問題について率直な意見を述べるドライバーが増えてきている。

こうした動きを受け、今年からFIAの新会長となったモハメド・ベン・スレイエムは、こうした行動を禁止することを表明。FIAのスポークスマンも国際スポーツ規約の文言が更新され、「政治的、宗教的、個人的な声明やコメントの一般的な作成と表示」が禁止されたことを擁護し、これは「スポーツの政治的中立性に沿ったもの」だと述べている。

しかし、F1関係者の中には今回のFIAの決定に納得できていない者も少なくないようだ。

■FIAの考えがわからないとボッタス

例えば、フィンランド出身ドライバーである33歳のボッタスは、スウェーデンの『Expressen(エクスプレッセン)』に次のように語っている。

「僕は、個人的には政治は好きじゃないよ」

「僕が好きなのはレースだよ。だけど、政治は現代社会の一部なんだ。F1はこういった問題に注目を集めるためにいい仕事をしてきたと思うし、セバスチャンを含め、多くのドライバーがそれを支持してきた」

「僕は、なぜ彼らが僕らをコントロールしたいのかが理解できないよ。僕たちが望むなら、いろんなことに対して発言するべきだと僕は思うよ。僕は全体像を見ているんだ。だけど、どうなるか様子を見ていこう」

■大切なのはスポーツであり政治ではないとクルサード

だが、FIAの決定に一定の理解を示している者もいる。その1人はかつてマクラーレンやレッドブルで活躍した元F1ドライバーのデビッド・クルサードだ。

スコットランド出身の51歳のクルサードは、FIAがドライバーや関係者がF1というプラットフォームを利用して政治的活動を行うことを取り締まりたい理由は理解できると次のように語った。

「ちょっとばかりアカデミー賞の受賞スピーチのようなものだよ」

「もし全員が政治的主張をするためにこの機会を利用すれば、誰かにとって重要でない問題などないよ」

「だから、すべてに言及するか、あるいは何も言わずにスポーツに集中するか、そのどちらかがいいのかもしれないね。アスリートとしては、ほかの人が無償でやるようなことをお金をもらってやれるのはとてもラッキーなことだよ」

クルサードも「言論の自由」が重要であることは認めている。しかし、「僕たちにとって大切なのはスポーツのルールであって、政治的な規制ではないということも忘れてはならないよ」と付け加えている。

■FIAは明らかに間違っているとマルコ

しかし、レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるオーストリア出身のマルコは、クルサードの考えには賛成できないようだ。

「ドライバーたちは、世界の人々の目に触れる立場にあり、何をどのように発言すべきかを知っている責任ある市民なんだ」

そう語った79歳のマルコは、F1での政治的発言に対する締め付けは「明らかに間違っている」と主張し、次のように付け加えた。

「概して、我々は民主主義社会にいる。そして、誰もが自分の意見を表明することができるんだ」

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