マクラーレン・レーシングのCEOを務めるザック・ブラウンが、ダニエル・リカルドはチームの期待に応えることができていないと認めた。
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レッドブル在籍時に7勝をあげた実績を持つオーストラリア出身のリカルドだが、2019年にルノーに移籍したものの上位争いに加わることができず、2021年にはマクラーレンへ移籍している。
■ノリスに勝てないリカルド
しかし、マクラーレンのマシンになかなかうまく適応できなかったリカルドはモンツァで行われた第14戦イタリアGPではうまくチャンスを活かして移籍後初優勝となる通算8勝目を飾ったものの、シーズンを通じてみれば10歳年下のチームメートであるランド・ノリスに大差で敗れたと言っていいだろう。
そして、その流れは今年も変わっていないようだ。新たな技術レギュレーションが導入された2022年のF1だが、6戦を終えた時点で22歳のイギリス人ドライバーであるノリスが39ポイントを稼いでランキング7番手に位置しているのに対し、32歳のリカルドは28ポイント差をつけられてランキング11番手にとどまっている。
マクラーレンはすでにノリスとは2025年までの契約を結んでいる。だが、リカルドの契約は今年までとなっており、マクラーレンが2023年に向けてリカルドとの契約を延長するかどうかは微妙な状況になってきていると考えられている。
■ブラウン、リカルドは自分やチームの期待に応えられていない
こうした中、マクラーレンを率いるアメリカ出身のブラウンは、テレビ局『Sky(スカイ)』の番組『Any Driven Monday』の中で次のように語った。
「間違いなく、ランドの方が優勢だよ」
「我々は当然、ダニエルがランドにもっと近づき、チーム内でいいバトルができることを望んでいる」
「(2021年の)モンツァでの勝利やいくつかのレースを除けば、全体的に彼や我々が期待していたところには至っていないよ」
「私が思うに、できることは、チームとして懸命に取り組み続け、コミュニケーションをとり続け、プッシュし続け、現時点でうまくいっていないことが近いうちにうまくいくように願うことだけだ」
■リカルドはナンバー2だと示唆したブラウン
また、ブラウンは昨年の時点でノリスとの間に2025年までの長期契約を結んだことについて質問されると、次のように答えている。
「そのことも、ランドがいかに優れているのかを示すものだと思うよ」
「シャルル(ルクレール)とカルロス(サインツ)の差、マックス(フェルスタッペン)とセルジオ(ペレス)の差を見れば、チームメートの間には差があるものなんだ」
「そして、ランドは現時点において世界最高のドライバーの1人だと思うし、そこにある差を見れば、それはランドがいかに優れているのかを賞賛するようなものでもあるよ」
このブラウンのコメントは、ノリスがマクラーレンのナンバー1ドライバーであることを完全に認めたものだと受け止めてもいいだろう。
■バルセロナでは「何かが間違っていたことを願う」とリカルド
実際のところ、2011年にF1デビューを飾り、フルタイムドライバーとしても今年で11年目のシーズンを迎えているリカルドもやや自信を失いつつあるようだ。
先週末にバルセロナで行われた今季のF1第6戦スペインGP予選では体調を崩していたノリスが11番手でQ2敗退となったのに対し、リカルドはQ3進出を果たして9番グリッドを確保していた。
ところが、翌日の決勝では、まだ体調が万全ではなかったノリスが3つ順位を上げて8位でフィニッシュしたのに対し、リカルドは逆に3つ順位を下げて12位で終わってしまった。
「残念だけど、何かが間違っていたのだと願っているよ。もしそうでなかったとしたら、その方がもっと心配だからね」
スペインGPを振り返りながら、どうして自分がバルセロナであれほど遅かったのかはわからないと嘆いたリカルドは次のように付け加えた。
「さっきも言ったけれど、僕はコンマ1秒や2秒の差ではなく、時には1秒以上離されてしまうこともあったんだ」。