レッドブル首脳のヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)が、F1が今週末に行われるイギリスGP(18日決勝)で初めて実施する「スプリント予選」がF1チームにさらなるプレッシャーを与えていると指摘した。
今週末にシルバーストン・サーキットで行われるイギリスGPでは金曜日に通常の予選、土曜日にレース方式のスプリント予選が行われ、日曜日の決勝を迎えるというこれまでにはなかった新たなレース週末フォーマットがお目見えすることになる。
今回は試験的導入ということになっており、今シーズン中にはあと2レースで同じフォーマットが採用される予定になっている。
F1モータースポーツ担当マネジングディレクターであるロス・ブラウンは、この新フォーマットについて次のように語っている。
「2022年には全ての週末でスプリント予選が行われるとは思っていないが、いくつかのレースでは行われることになるだろう」
「全てがまだオープンな状態だ」
F1レースディレクターを務めるマイケル・マシは、今週末に何か問題が発生した場合、今後フォーマットを調整することも可能だと主張している。
「シルバーストンのあとで、何がうまくいって何がうまくいかなかったのかを評価することになる」
フランスの『Auto Hebdo(オト・エブド)』にそう語ったマシは次のように続けた。
「目的は最善のフォーマットを見つけることであり、そのためにこのテストを行っているところだ。チーム、FIA(国際自動車連盟)、F1たちと何度も会議を行ってきている」
「全員に対し、規定を読んで何か問題があれば報告する機会が与えられていたよ」
「しかし、実際にやってみなければどういう問題が起こるのか分からないというのが本当のところだろう」
現在今年のF1選手権をリードする立場となっているレッドブルのマルコはドイツの『Speed Week(スピードウィーク)』に次のように語った。
「もしも金曜日に何か問題が起きれば、週末全体が台無しになってしまう可能性があるよ」
「最初のプラクティスセッション(フリー走行1回目)がクルマをチェックする唯一のチャンスなんだ。その後はパルクフェルメ(マシンに手を加えることが規制されること)が施行されるからね」
「つまり、何かを修正できるのは土曜日に行われる2回目のフリー走行だけということになるわけだ」
一方、レッドブル・ホンダと2021年のF1タイトルを争っているメルセデスは、今週末のイギリスGPには何らかの改良パーツを持ち込むことにしているものの、すでに新技術レギュレーションが導入される2022年に向けた開発に完全にシフトしていると主張している。
しかし、マルコはそれを信じてはいないようだ。
「彼らは、今シーズンもベストを尽くしたいと考え続けるだろう」
そう述べたマルコは次のように付け加えた。
「メルセデスがギブアップするのは、数学的に勝てる可能性がなくなったときだよ」