先週、パスカル・ヴェアラインと契約を結んだことを発表したマノーだが、もうひとつのシートには誰が座るのか、いまだ明らかにはされていない。
現時点では、昨年までマノー・マルシャのドライバーを務めていたアレキサンダー・ロッシとウィル・スティーブンス、そしてインドネシア政府の支援を受けるリオ・ハリアントの3人が有力な候補者だと見られている。
■マノーの2台目は3人でシェアか?
だが、ここへきてフィンランドの『Ilta-Sanomat(イルタ・サノマット)』が、「F1関係者の間では、(マノーの)2台目のクルマにはシーズンを通じてこの3人すべてが乗ることになるのではないかとのうわさがささやかれている」と報じている。
つまり、今年のF1は全21戦で行われる予定となっているが、マノーではハリアント、ロッシ、スティーブンスの3人とそれぞれが7レースずつに出走するという契約を結ぶかもしれないということだ。
『Ilta-Sanomat(イルタ・サノマット)』によれば、ヴェアラインだけがフル参戦ドライバーとなり、もう1台のクルマは3人によってシェアされることになる可能性があるという。
具体的には、インドネシア人ドライバーのハリアントは、シーズン開幕当初の数戦とシーズン後半に設けられたアジアラウンドを担当。アメリカ人ドライバーのロッシは、主に北アメリカと南アメリカでのレースを担当。そして、イギリス人ドライバーのスティーブンスがヨーロッパでのレースを中心に担当することになるだろうというわけだ。
『Ilta-Sanomat(イルタ・サノマット)』では、そのために各ドライバーがチームに持ち込むスポンサー資金は500万ユーロ(約6億4,000万円)ずつになるだろうとしている。
■ルール的には合法
ちなみに、現在のF1ルールでは、各チームはシーズンを通じて4人までドライバーを使うことが認められている。そして、その4人のドライバーが獲得したポイントはコンストラクターポイントに合算することができる。
この報道が事実だとすれば、マノーがF1に斬新なドライバー契約戦略を持ち込むことになるかもしれない。
■今年のマノーは必ず飛躍するとトト・ヴォルフ
そのマノーは、今季から最強と言われるメルセデスエンジンを搭載することになったほか、ウィリアムズからもサスペンションなどの技術協力を受けることになっている。さらに、フェラーリで活躍していたベテランエンジニアも複数加入するなど、チーム全体の底上げが図られることになるのは確実だと見られている。
「マノーは飛躍を遂げるだろうね。それはエンジンによるものだけではない」
そう語ったメルセデスAMGのトト・ヴォルフ(ビジネス担当エグゼクティブディレクター)は、次のように付け加えた。
「クルマやドライバーが目を引くようなことをやってのけるだろうし、堅実に中団グループに入ってくるだろうと確信しているよ」