消息を絶っていたマレーシア航空MH370便は不幸にも海に墜落したことがほぼ確実だと報じられた。だが、今週末のF1マレーシアGP(30日決勝)は予定通り行われる。
ほぼ3週間にもわたって航空機と、乗客と乗務員合わせて239名の搭乗者の消息が分からないという不可解な状況が続いていたマレーシアだが、イギリスの『Mirror(ミラー)』紙は、メルセデスAMGがレース週末の間、車体に「帰っておいで、MH370」という文字を掲げることを計画していたと報じた。
だが、今週になってマレーシアの首相がついに、航空機がインド洋のどこかに墜落し、搭乗者全員が死亡したとみられるとの声明を発表した。
『DPA通信』によれば、これを受けて、マレーシアの世界的石油会社ペトロナスをタイトルスポンサーに持つメルセデスAMGは、車体の文字を「MH370に追悼の意を表す」という言葉に変えて今週末のレースに臨むことになるという。
ペトロナスは、ポップスターのクリスティーナ・アギレラをメーンとして週末に行われる予定だったコンサートは、「MH370便の乗客および乗務員の家族や近親者に敬意を表すため」にキャンセルされたことを発表。その声明の中で次のように述べている。
「まさに悲劇であり、我々は、乗務員と乗客のために深い悲しみに包まれている」
だが、同様にペトロナスがメーンスポンサーとなるマレーシアGPは予定通り行われる。
これに関して、セパン・インターナショナル・サーキットの責任者であるラズラン・ラザリは次のように語った。
「暗い雰囲気に包まれているし、いたるところで誰もがそのことを話題にしており、なぜこういう状況のときにF1レースを開催するのかという疑問の声があるのも理解している」
「だが、これはかなり前に決定されていたことなんだ」
また、やはりクアラルンプールで予定されていたローレウス世界スポーツ賞の2014年度式典も26日(水)に実施され、ノミネートされていたセバスチャン・ベッテル(レッドブル)の名前も参加人名簿にあった。
だが、ローレウスの会長であるエドウィン・モーゼスは、「我々は、こういうときには2日間にわたって予定されている行事を縮小することが望ましいと感じている」と語った。
また、F1の高官たちもレース週末が始まる前に会合を開き、不幸な航空機事故による犠牲者のために適切な追悼行事を行うことを話しあったものと考えられている。
一方、ドイツの『SID通信』が行った意識調査によれば、回答者の62パーセントが、現在のクリミア情勢を考慮し、今年初開催が予定されているロシアGPを中止すべきだと考えていると報じられている。