F1では2022年からこれまでの13インチに替えて18インチホイールの導入が予定されている。そして、先週フェラーリがスペインのヘレス・サーキットでその18インチF1タイヤのテスト走行を行った。
だが、フェラーリやF1公式タイヤサプライヤーであるピレリは何も公式に発表していないものの、目撃者によれば18インチタイヤでのテスト走行を担当していたカルロス・サインツ(フェラーリ)が走行中にクラッシュしたという。
今年マクラーレンからフェラーリに移籍したサインツは、スイスの『Blick(ブリック)』からこの件についての質問を受けると次のように答えている。
「契約上の問題により、僕がどの程度そのことについて話すことができるのか分からないんだ」
「だけど、仮に何かが起きていたとしても、それは取るに足りないことだったと言えるよ」
ともあれ、13インチホイールタイヤでF1が争われるのは今年が最後ということになる。F1チームでは昨シーズン終盤のレースでのプラクティスセッションを利用してピレリの2021年用タイヤのテストを行ったが、ほとんどのドライバーがそれに対して大きな不満を口にしていた。
そのことについて質問を受けたピレリの自動車レース責任者マリオ・イゾラはドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に次のように答えた。
「それは全く普通の反応だったよ」
「ドライバーたちは何か新しいパーツをテストするときは常にそれでパフォーマンスが向上することを期待するものなんだ。しかし今回のケース(2021年仕様タイヤ)は、耐久性にのみ焦点が合わせられているからね」
ピレリが行ったシミュレーションによれば、2021年仕様タイヤは2020年に比べてコンマ4~5秒ラップタイムが遅くなると考えられているようだ。そして、昨年テストを行ったF1ドライバーたちによれば、そのタイヤはアンダーステアになる傾向が強いという。
だが、イゾラは実際には昨年に比べてF1マシンが極端に遅くなることはないと考えている。
「それにはセットアップで対応することができる」
そう語ったイゾラは次のように付け加えた。
「いったんチームが新しいタイヤに慣れてしまえば、もはやそこまで大きな差にはならないだろう」