NEXT...F1開催スケジュール

ピレリのタイヤ変更に暗雲

2013年05月21日(火)12:15 pm

F1公式タイヤサプライヤーのピレリは、批判の多かった今季のタイヤについて、来月に予定されているF1カナダGP(6月9日決勝)までに変更を加えることを予定していたが、どうやらその雲行きが怪しくなってきているようだ。

スペインの日刊スポーツ紙である『Marca(マルカ)』の記者であるマルコ・カンセコを含む複数のメディアは、F1を統括するFIAがピレリに対し、シーズン途中での仕様変更は安全上の問題がある場合にのみ許されるものだと反論したと報じている。これはF1の技術ルールにちゃんと定められているものだ。

だが、ピレリのモータースポーツ責任者、ポール・ヘンベリーは、カナダGP及びそれ以降に向けて予定している変更は、今シーズンここまで「ピットストップの数が非常に多すぎた」ことによるものだとの声明を出していた。

同じころ、ヘンベリーはレッドブルやメルセデスAMGといったチームが「メディアを利用して」ピレリに対する圧力を増幅させたと非難している。ヘンベリーはドイツの『Bild am Sonntag(ビルト・アム・ゾンターク)』紙に次のように語った。

「過去2年と比べて変わったことは、みんなが自分たちの利益を得るために、メディアを利用したことだ」

「批判を行う者たちが記事を作っているんだ」と主張するヘンベリーは、次のように付け加えた。

「だが、たくさんの人たちから、そうした圧力に屈しないで欲しいとの声も寄せられていた」

レッドブルやメルセデスAMGは声高にタイヤを変更するよう苦情を訴えていたものの、それ以外のチーム、例えばロータスやフェラーリ、そしてフォース・インディアなど、今季用ピレリタイヤをうまく使えているチームは、タイヤを変更することについて反対の声を上げていた。

ロータスのチームオーナーであるジェラルド・ロペスは、『Welt am Sonntag(ヴェルト・アム・ゾンターク)』紙に、タイヤを変更することは「賢明で、創造性のあるチームたちに不利益を及ぼす」とともに「敗者に恩恵を与える」可能性がある「ばかげた」ことだと語り、「F1はどうなってしまったんだ?」と皮肉をこめたコメントをおこなっている。

さらに、『Speedweek(スピードウィーク)』にはフォース・インディアのポール・ディ・レスタの次のようなコメントが掲載されている。

「どうしてピレリが変更をしようとしているのかよくわからないよ。でも、すべてが公平に行われていると聞いていた」

「その変更は僕たちや、フェラーリとロータスにとっては、ほかのチームに比べて少し不利になると予想している」

「僕たちはこれらのタイヤを使いこなすために冬の間に多くの時間を費やした。だから、当然こうした変更には不満だよ」

ディ・レスタはさらに、ピレリが今回の変更に関して、レギュレーションで求められている安全上の問題のためだと証明することは難しいのではないかと感じていると、次のように続けた。

「今のタイヤが危険だとは思っていないよ。前回のレース(スペインGP/第5戦)に関してみんなは騒いでいるけれど、僕たちはレースで何の問題も抱えなかった」

「タイヤの障害のほとんどは、コース上の破片などを踏んだことによるものだと思っている」とディ・レスタは結んでいる。

前後の記事
最新ニュースをもっと見る  >
TopNewsの最新ニュースが読めるよ!
facebookフォロー Twitterフォロー RSSでチェック