ミニ・ジョン・クーパー・ワークスによるワンメイクレースシリーズで「ミニ・トロフィー2012」のタイトルを獲得したオーストリア人ドライバー、ユルゲン・シュマールが、2人乗りスポーツクーペである「ミニクーペ・ジョン・クーパー・ワークス」について「究極のゴーカート感覚が味わえる車だ」と評している。
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ミニクーペ・ジョン・クーパー・ワークスは、4シーターのミニ・ジョン・クーパー・ワークスをベースとして設計されたクルマであることは言うまでもなく、カタログスペック的には両車の間にはそれほどの違いは見られない。どちらも最高出力211ps、最大トルク26.5kg・mを発生する1.6リッター直列4気筒ターボエンジンと6MTが組み合わされており、0-100km/Hでは4シーターが6.5秒に対し、ミニクーペはコンマ1秒速い6.4秒。また、最高速も4シーターが時速238kmであるのに対し、ミニクーペは240kmと、その差はごくわずかだ。
だが、このミニクーペで今年のジョン・クーパー・ワークス・チャレンジを制覇したシュマールは次のように語っている。
「スペック上は伝統的な形状を持つ4人乗りと、2人乗りのクーペの間にはそれほど大きな違いはない。だが、ひとたびサーキット上でレースをしてみれば、その違いは一目瞭然だ」
リアシートを排除したことにより楕円形のフォルムが強調されることとなったルーフは、スポーツドライビングの楽しみを与えてくれそうだという期待感を募らせるに十分なスタイリングを実現。このルーフ形状の変更に伴うAピラー傾斜角の変更、ワイドスクリーンの採用などにより車高は4シーターの1430mmに対し、1385mmと5cm近く下げられており、これによって空気抵抗の大幅な削減に成功している。
またルーフに設置されたスポイラーは空力特性を綿密に計算されているとともに、外観的にも一層の精悍さを与える。さらに、トランク部にはアクティブ・スポイラーも設けられており、時速80km以上に達すると自動的にポップアップしてダウンフォースを強めるとともにフロントとリアの空力バランスを最適化するシステムが採用されている。
これらに加え、2シーター化によってさらに剛性が増したボディーや強化されたサスペンションが組み合わさるにより、高速走行時におけるトラクションを高いレベルで維持するとともに、高速コーナリング時の安定性を一層高めることに成功した。さらに、DSC(ダイナミック・スタビリティー・コントロール)システムによってハードコーナリング時のアクセル開度などが電子制御され、より安全な走行状態が維持されるようになっている。
シュマールは次のように締めくくった。
「ミニクーペは生まれつきのスポーツカーであり、ハッチバックスタイルのミニに比べると、さらにレスポンスもよく、機敏になり、さらに細やかなドライビングが可能となっている。私はこれまでジョン・クーパー・ワークス・チャレンジでずっといいレースをしてきていたが、ミニクーペで初めて耐久レースに出たとき、すぐにこの車に魅了されてしまったよ。この車でミニ・トロフィー2012年シーズンを走ることができて満足している」
この究極のゴーカート感覚を味わうことができるミニクーペ・ジョン・クーパー・ワークスは、ミニシリーズの最上位に位置付けられるモデルであり、日本での販売価格は426万円となっている。