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F1オーストラリアGPの見どころ

2012年03月15日(木)13:03 pm

2007年の王者であるキミ・ライコネンの復活に大きな注目の集まる2012年F1が、いよいよ開幕を迎える。

・2012年の新要素
毎年ルール変更が行われるF1だが、今年のF1で見た目に最も大きく変わったのがノーズ部分。マクラーレンとマルシャ(旧ヴァージン)を除く全チームが、ノーズに段差のある「段差ノーズ」を採用した。これは、クラッシュ時の安定性向上を目的に、ノーズ先端の高さを昨年までよりも低くするようルールが変更されたためだ。

ノーズ先端の高さは低くなったものの、クルマのパフォーマンス面への影響を懸念したチーム側の要請により、コックピットのあるモノコック部分の高さは維持された。このため、多くのチームがモノコックとノーズの接続部分に段差を作って新ルールに対応。しかし、マクラーレンは段差を作っておらず、段差の有無によってパフォーマンスに差が生まれるのか注目されている。

また、今年からセーフティカーが導入された際、周回遅れのクルマはセーフティカーを抜いて隊列の後方につくことが許可される。これにより、レース再開時に上位グループのクルマの間に周回遅れのクルマが入ることは避けられ、上位グループのクルマ同士のバトルが見られることになる。

・開催サーキット
オーストラリアGPが開催されるアルバート・パーク・サーキットは、メルボルンにある公園を周回する公道などを使用した特設コース。公道を使ったコースであるため、レース週末の序盤は路面が汚れており、その後、走行を重ねるごとに路面のグリップが増していく。クルマをセットアップする際は、予選や決勝での路面状態を予測してセットアップする必要がある。

アルバート・パークは、追い抜きが見られるサーキットでもある。最も一般的なのは、シケイン状になっている3コーナーから4コーナーにかけて。しかし、3コーナーで右へ曲がると、すぐに左へ切り返すため、2台が横並びの状態でバトルを繰り広げることも多い。1コーナーで追い抜きが見られることもあるが、3コーナーに比べると、その頻度は少ない。

追い抜き増加のために昨年導入されたDRS(空気抵抗低減システム/可変リアウイング)は、今年も使用が継続される。昨年のオーストラリアGPでは、決勝でDRSを使用できるDRSゾーンはホームストレートのみだったが、今年は2コーナーから3コーナーにかけてのストレートにもDRSゾーンが設定された。これにより、決勝中の追い抜きが昨年よりも増えることが期待される。

・注目ドライバー、チーム
開幕前のテストで最も注目を集めていたのはライコネン。2009年にいったんF1を引退した直後から復帰を望む声が多かったライコネンのF1復帰が、ついに実現する。しかも、ライコネンの所属するロータスは、開幕前のテストで好調な走りを見せており、ライコネンが今季のタイトル争いに加わるという意見もあるほどだ。

昨年に史上最年少でのF1連覇を達成したセバスチャン・ベッテル擁するレッドブルは、今季もタイトルの最有力候補。しかし、レッドブルはシーズン前テストの最終2日間で大幅な改良を行ったものの、トラブルに見舞われたため十分にデータを集められていない。そのため、特にシーズン序盤は、思わぬ形でレッドブルが足をすくわれる可能性があるかもしれない。

このほか、マクラーレンやメルセデスAMG(旧メルセデスGP)も好調だと言われる一方、フェラーリは開幕前から苦戦を強いられている。今季に向けて考案した新排気システムの開発が難航し、この新システム導入を断念した。フェラーリは巻き返しを狙い、従来のシステムへ切り替えて開発を進めているが、チーム首脳も開幕戦での表彰台争いは不可能だとのコメントを残している。

そして、日本のファンとしては気になるのが小林可夢偉(ザウバー)。テスト序盤にはトラブルの続いたザウバーだが、2回目のテストでは可夢偉がトップタイムを記録。チームメートのセルジオ・ペレスも、3回目のテストでトップタイムを記録した日があり、決勝のように多くの周回を一度に走るロングランでの速さは、ザウバーが2番手と分析する海外メディアもある。可夢偉本人も開幕に向けては「任せろ!!」と頼もしいコメントを残している。

・始まるまで分からないのが開幕戦
今季のF1も、開幕前から各チームの力関係が話題になっているが、実際に始まってみないと分からないというのが開幕戦だ。テストでは、各チームがそれぞれ別の目的で走行し、それぞれのプログラムで走っているため、正確な勢力図は見えてこない。フリー走行もテストの延長のようなものであるため、ハッキリとした勢力図は判断しにくい。

そのため、各チームの力関係が見えてくるのは予選からということになる。このチームは手の内を隠しているのではないか? 実はこのチームはあまり速くないのではないか? などと想像しながら予選と決勝を待つのも開幕戦の楽しみ方と言える。

・雨が波乱のレースを演出?
今週末のメルボルンでは、にわか雨が降るとの予報も出ている。雨が降った場合、その時の路面状況に最適なタイヤを装着していなければ大きくタイムを落とすことになる。特に予選や決勝の最中に雨が降ると、これによって大きく順位が変動することもあり、波乱の展開になってしまうことも多い。

ちなみに、今年もピレリがF1へタイヤを供給。雨用タイヤは、路面の水量が多いとき向けのウェットは、タイヤ側面のロゴやブランド名が青、水量が少ないとき向けのインターミディエイトはロゴなどが緑で書かれる。ピレリがメルボルンへ持ち込むドライタイヤは、2番目に軟らかいソフト(ロゴなどは黄色)と、それよりも1段階硬いミディアム(ロゴなどは白)。決勝で雨用タイヤを使わない限り、この2種類両方を使用しなければならない。

2012年F1開幕戦オーストラリアGPは、16日(金)の現地時間12時30分(日本時間10時30分)にフリー走行1回目が開始。決勝は18日(日)の現地時間17時(日本時間15時)にスタートする。

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