メキシコ出身F1ドライバーであるセルジオ・ペレス(レッドブル)が、自分はF1引退を考えるにはまだ「若すぎる」と主張した。
現在アストンマーティンに所属しているセバスチャン・ベッテルは、2022年シーズン限りで自らのF1キャリアにピリオドを打つ決断を行っている。2010年から2013年までレッドブル時代に4年連続でF1ドライバーズタイトルを獲得したベッテルもすでに35歳となっており、年齢的にも引退を決意してもおかしくない時期だとも言えるだろう。
■2024年を最後のF1シーズンにするつもりはない
ペレスは現時点では32歳だが、レッドブルとの契約は2024年シーズンまで延長されており、その翌年2025年の1月には35歳の誕生日を迎えることになる。
そのペレスは、このほどドイツの『Sport Bild(シュポルト・ビルト)』に対し、自分のF1活動について次のように語った。
「僕はまだ2024年まで契約がある。でも、そこで自分のキャリアを終えることになるとは想像できないよ」
「このスポーツには多くの時間を取られることになるけれど、それは仕方のないことさ。F1が自分の人生になるだろうね」
「だけど、僕はやめるには若すぎるし、まだすごく楽しめているよ」
■人生で最高の瞬間はF1の外にある
そう語ったペレスは、いつかF1に別れを告げる時が来ても、「それは僕にとって難しいことではないだろうね」と付け加えている。
その理由について尋ねられたペレスは次のように答えている。
「僕の人生で最高の瞬間はレースとは何の関係ないものなんだ。例えば、子供の誕生とかね」
「だけど、ささやかなことでも、僕にとっては大きな意味があるんだ。メキシコで20ペソ(約130円)でタコスが食べられて、家族と一緒に過ごせるとしたら、それはF1では経験できない瞬間なんだ」
■F1タイトルをあきらめるつもりはない
一方、ペレスは、現在は2021年のF1チャンピオンであるマックス・フェルスタッペンのチームメートを務めつつ、自分もF1チャンピオンになるという目標をあきらめてなどはいないと主張している。
「僕はF1にいる誰にでも勝つことができる。マックスを含めてね」
「僕は今シーズンそれを何度か示してきた。残念ながら、それだけでは成功を確実にできるほどではないけれどね。 マックスには素晴らしい資質があるし、年齢の割にはすごく落ち着いている。そして、マシンに対するフィーリングもとてもいいんだ」
「だから、問題はひとつの週末で彼に勝てるかどうかではなく、何レースを彼の前でフィニッシュすることができるかということなんだ。それには一貫性が大事になる」
そう語ったペレスは次のように付け加えた。
「それがチャンピオンになるために必要なことだよ」
■開発が進んだことでマシンがフェルスタッペン向きのものに変わってきた
しかし、2022年シーズン序盤には好調なスタートを切っていたペレスだが、最近では明らかにフェルスタッペンとの差が開き始めている。
「シーズン当初は、クルマの感触がとても良かったんだ。だけど、その後、開発が進むにつれて、もはや僕のドライビングスタイルに100パーセント合うものではなくなっているんだ」
現時点でのレッドブル2022年型F1マシンに不満があることを認めたペレスは、次のように続けている。
「現時点ではマックスのほうによく合っているから、僕が適応しなければならないんだ。だから、シーズン開幕時のような方向性に持っていけることを期待しているよ」
「そうすれば、またうまく攻めることができるはずさ」
そう語ったペレスは、2020年シーズンをもってレーシングポイント(現アストンマーティン)のシートを失った際に、もしもレッドブルに移籍するチャンスが得られなければそこでF1キャリアを終えてしまう可能性もあったことに言及しながら、次のように付け加えた。
「だけど、もしもこういうトップレベルのマシンに乗っていなかったら、僕はもうこのスポーツにはいなかったかもしれないね」