日産自動車株式会社(本社:神奈川県横浜市西区、社長:カルロス ゴーン)は2日、新しい電動パワートレイン「e-POWER」を搭載したコンパクトカー「NOTE e-POWER」を発売した。
「e-POWER」はガソリンエンジンとモーターを融合した新しいパワーユニットで、ガソリンエンジンで発電した電気で走行する。「日産リーフ」にも搭載している大出力モーターのみで100%駆動する。
「NOTE e-POWER」の燃料はガソリンのため充電を気にする必要が無く、かつ、100%モーター駆動のため走る楽しさは、まさにEVそのものであるという点で、従来のコンパクトカーに多く採用されているハイブリッドシステム車とは全く異なる、新しい電動パワートレイン搭載車だ。
■「e-POWER」のしくみ、技術について
「e-POWER」は、ガソリンエンジン、発電機、インバーター、モーターから成るコンパクトな『一体型パワートレイン』と『高電圧バッテリー』から構成されている。
現在広く普及している従来型のパラレルハイブリッドでは、駆動に『エンジンと小型モーター』を併用しているが、「e-POWER」では、エンジンはタイヤには直接つながっておらず、モーターのみで100%駆動することが最大の特徴だ。
また、「日産リーフ」のような100%電気自動車と異なるのは、バッテリーに蓄えた電力に加え、ガソリンエンジンで発電した電力を使う点だ。「日産リーフ」のエネルギー源はバッテリーのみで、外部から充電器を通じて充電する(図1参照)。
図1(イメージ)各パワートレインの構造の違い" title="図1(イメージ)各パワートレインの構造の違い
「e-POWER」は、「日産リーフ」のシステムや長年の研究開発をベースとしたモーター制御技術、パワートレインの一体化、小型・軽量化、そして如何にエネルギーを効率的に作り出し使用するかというエネルギーマネジメント技術が融合することで実現した。
■「e-POWER」がユーザーへ提供するベネフィット
「e-POWER」は、走り出しから最大トルクを発揮するモーター駆動ならではのメリットを提供する。
レスポンスの良さ、なめらかな加速、走行時の高い静粛性など、100%電気自動車同様の走りの楽しさを実感できるという。
また、構造上、エンジンとタイヤが直接つながっていないため、最も効率の良いエンジンの回転数で発電が可能となり、クルマが使われる頻度が高い市街地走行時において従来型ハイブリッドに対し、競争力のある燃費を実現している。
充電を気にせず、なおかつ「日産リーフ」の走りの特長と高い経済性を享受できることが、「e-POWER」の最大のベネフィットだ。
日産は、車両の電動化をすすめるにあたり、様々なマーケットのニーズに応えるため、多様な燃料に対応する電動パワートレインの開発を行っている。
今回の「e-POWER」は、日産の電動パワートレインのラインアップを補完・強化するものとなる。日産ではこのほか、SOFC(Solid Oxide Fuel Cell, 固体酸化物型燃料電池)や水素燃料電池車の研究開発も行っており、今後も様々なエリア、ニーズをカバーするEVを投入し、EVの普及拡大を進めていく。
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