2019年シーズンからフェラーリF1チームを率いていたチーム代表のマッティア・ビノットが2022年いっぱいでその職をはずれることになったが、伝えられるところによれば、フェラーリはその後任選びにかなり苦戦しているようだ。
そうした中、最新のうわさによれば、かつてマクラーレンでアイルトン・セナのチームメートとして活躍したことで知られる元F1ドライバーのゲルハルト・ベルガーもその候補に挙がってきているという。
オーストリア出身の63歳となるベルガーだが、1987年から3年間、そして1993年から3年間と、2期通算6年をフェラーリのドライバーとして過ごした実績も持っている。
一時期はトロロッソ(現アルファタウリ)の共同オーナーを務めたこともあるベルガーは、近年はDTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)の最高責任者を務めてきていた。
■ベルガーがDTM運営からはずれるとの報道
しかし、最近オーストリアの『Kurier(クリヤー)』紙が報じたところによれば、ベルガーは財政難にあるこのシリーズの権利を『ADAC(ドイツ自動車連盟)』に譲り渡したようだ。
「これは、巨大なDTMファンのコミュニティにとって、いいニュースだよ」
そう語ったベルガーは、次のように付け加えている。
「私は、このブランドがADACの手に委ねられたのは正しいことだと確信している。彼らはすべてのモータースポーツファンに将来に向けてユニークな体験を提供するために必要なノウハウを持っているからね」
■次期フェラーリF1チーム代表の本命は?
実際のところ、ビノットがフェラーリのチーム代表を解任されることが明らかになったすぐ後にこのニュースが報じられたことで、ベルガーがビノットの後任として2023年からフェラーリを率いる可能性もあるとのうわさがささやかれるようになったようだ。
少し前までは、現在アルファロメオのチーム代表を務めているフレデリック・バスールが有力候補だと報じられていたが、最近の報道によれば、バスールはフェラーリからの誘いを断ったと言われている。
また、別のうわさでは、今年限りでF1モータースポーツ担当マネジングディレクターの職を退くことになったロス・ブラウンもビノットの後任候補ではないかとされている。
しかし、かつてミハエル・シューマッハを擁してフェラーリが黄金時代を築いた時期にフェラーリの技術責任者を務め、2009年には自らのチームであるブラウンGPでF1タイトルを獲得したこともあるブラウン本人はレース活動からの引退を示唆している。
2023年1月以降、誰がチーム代表としてフェラーリを率いていくことになるのか? それが明らかになるまでにはもう少し時間がかかるのかもしれない。