F1最高責任者(CEO)のステファノ・ドメニカリが、F1ベルギーGPが今週末のレースを最後にF1カレンダーから消えると決まったわけではないと主張した。
■F1開催継続が危ぶまれるベルギーGP
これまでの報道によれば、ファンの人気も高いことで知られるスパ・フランコルシャン・サーキットでのベルギーGPが今年で最後となるのはほぼ確実だと考えられている。
ドメニカリは24日(水)に、今週末にレースが行われるスパ・フランコルシャンにおいて各国のジャーナリストたちに対して次のように語った。
「ベルギーはこれが最後になるどこかで読んだ。それに関しては、私は慎重でありたい。非常に慎重にね」
F1関係者やジャーナリスの中には、ドメニカリがベルギーGPについて慎重になる必要があるのは、2023年からの開催をもくろんでいる南アフリカでのF1レースが、まだ明確な契約に至っていないためではないかと推測している者もいる。
■ベルギーも南アフリカもまだどうなるか不透明
ドメニカリはその南アフリカGPの計画について次のように語っている。
「我々はアフリカでのレースを望んでおり、南アフリカは最も明白な候補地だ」
「しかし、我々は安定した明確な長期契約を望んでいる。1年だけやってそれで終わるのではなくね」
「こうした交渉にはまだ時間が必要だよ」
■2023年の24レース開催計画に変更はない
それでも、ドメニカリは2023年のF1カレンダーが全24戦に膨れ上がる可能性があることを認めるとともに、伝統的な開催地がカレンダーから抜け落ちる可能性もあると強く示唆している。
「それが我々が考えている数字だ」
F1史上最多となる年間24戦の実現を目指していると認めたドメニカリは次のように付け加えている。
「要望はたくさんあるものの、私は24レース以上にはしたくないと思っている。来シーズンは23レースか24レースになるだろう」
ドメニカリがレース数を明確に限定しなかったのは、上海で行われる中国GPがカレンダーに復帰できるかどうかがまだ不透明であるためだと考えられている。
■ヨーロッパでは持ち回り開催も選択肢に
また、今年もポール・リカール・サーキットで行われたフランスGPなど、いくつかのヨーロッパでのレースについては、2024年以降は2年に1回、もしくは3年に1回というように持ち回りで開催するという新たなスキームも検討されているようだ。
「例えば、それがフランスにとっての選択肢になり得るだろうし、ドイツも近いうちにテーブルに戻ることを私は望んでいるよ」
「我々は常に、たとえ多くの金を生まないとしても伝統的なレースを尊重すると言ってきた。だが、私はモンツァ(イタリアGPの開催地)の人たちには『歴史だけに頼るな』と言ったよ」
「カレンダーに留まるためには、時代についていけなければならないんだ」
2014年シーズン序盤までフェラーリのチーム代表を務めた経験を持つドメニカリはそう語ると、次のように付け加えた。
「ベルギーとの交渉はまだ続いているよ。スパにある私のオフィスで今週末に彼らと会うことになるはずだ」