F1オーナーであるリバティ・メディアの元でF1モータースポーツ担当マネジングディレクターを務めているロス・ブラウンが、2021年から導入される新F1運営計画が間もなく合意に至るだろうと示唆した。
先週、リバティ・メディア、F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)、各F1チームの代表者らが集まって2021年以降に適用されるコンコルド協定に関する話し合いが行われたことが明らかとなっている。
2017年シーズンからF1運営に乗り出したリバティ・メディアだが、現在のコンコルド協定が2020年で満期を迎えることを受け、2021年はこれまでとは大きく違うF1運営方式を採用したいと考えている。
それには、新たな基準による新型F1マシンの導入、F1マシンのコンポーネントの標準化、新たな収益金分配システムの導入、F1チーム予算上限値の設定、といった内容が含まれていると伝えられている。
本来、2021年から適用されるルールに関しては今年の6月いっぱいまでに合意確定しなくてはならないという取り決めになっている。だが、今季のF1第2戦が開催された先週末のバーレーンではいくつかのチームがその最終期限を今年の12月まで延期することを望んでいるようだとのうわさもささやかれていた。
「まだいくつかの点においては、かなり(合意までの)距離がある」
そう語ったフェラーリのチーム代表マッティア・ビノットは次のように付け加えた。
「だが、我々はみんなでそのことについて話し合っているし、正しいやり方を見つけることがF1にとっていいことなんだ。私はそうできると強く思っているよ」
ビノットが言及した“距離がある”もののひとつは、F1最大の名門チームであるフェラーリが収益分配において受けてきていた優遇措置のことかもしれない。伝えられるところによれば、リバティ・メディアは2021年以降はその額を引き下げたいと考えているようだ。
ブラウンもフェラーリがF1において特別な存在であることは認め、ドイツの『DPA通信』に次のように語った。
「彼らはF1における最大のブランドだし、ほかのすべてのチームもF1にとってフェラーリがどれほど重要な存在であるかは認識していると思っている」
しかし、ブラウンは、チームとの完全合意に至るのもそう先のことではないと次のように付け加えている。
「昨年我々は大きな前進を遂げたし、今ではもう少しで“終わった”と言えるところにまで来ているよ」