セバスチャン・ベッテルが、フェラーリが再び“危機的状況”に陥るのではないかとの見方を否定した。
■急激に差を縮められたベッテル
現時点では辛うじてタイトル争いトップの座をキープしているものの、今季の第10戦であったF1イギリスGPを終えた時点でベッテルと今季4勝目を飾ったルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)との差はわずか1ポイントとなってしまっている。
シーズン序盤は明らかにフェラーリのほうに勢いがあったが、最近のレースではメルセデスAMGのほうがいいリズムに乗ってきているのは確かだろう。
イタリアのメディアの中には、フェラーリが再び危機的な状況に陥ってしまう日も近いのではないかと報じているところもある。
■危機的状態に陥るようなことはない
だが、ベッテルは『La Repubblica(レプブリカ)』に次のように語った。
「僕はそうは思わないよ」
「確かにメルセデスAMGは大きくばん回してきた。だけど僕たちにもまだ速さはあるんだ。特に日曜(決勝)にはね」
「僕たちが土曜(予選)にかなり苦しんでいるのが問題なんだ。決勝を後ろからスタートすれば常にばん回が可能となるわけじゃないからね」
■不運もあったイギリスGP
実際のところ、ベッテルはシルバーストンに着く前にはもう少しフェラーリのパフォーマンスが上がるだろうと期待していたという。
だが、予選ではハミルトンとチームメートのキミ・ライコネン(フェラーリ)に次ぐ3番手となったベッテルだが、決勝ではスタートでマックス・フェルスタッペン(レッドブル)に追い抜かれてしまい、終盤にはタイヤがパンクするというトラブルにも見舞われて7位でレースを終えていた。
■メルセデスAMGとの差はあまりない
ベッテルはそれでも、イギリスGPでは前向きにとらえられる点もあったと次のように続けた。
「コーナーでの挙動はすごくよかったしバランスも取れていたよ。コプス(ターン9)では彼らより僕たちのほうが時速10km速かったんだ」
「今年は空力がかなり重要だし、恐らく、彼ら(メルセデスAMG)はそこが僕たちよりも少しばかり効果的なんだと思う。だけど全体的には僕たちもほぼ同等だよ」
■ハンガリーGPでは違う展開を期待
そう語ったベッテルは、今週末に開催される第11戦ハンガリーGPではイギリスGPとは違う展開となるだろうと、次のように付け加えた。
「決定的な差がつけられるかどうかは分からないけれど、(イギリスGPとは)かなり違うものになると思っているよ」