レッドブルのヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)が、ジュニアチームであるトロロッソが黄色いカラーリングに変わるかもしれないと認めた。もちろん、黄色とはルノーのイメージカラーのことだ。
レッドブルにワークスエンジンを供給しているルノーに対し、今年は進歩するどころか後退してしまったと苦言を呈しているマルコだが、そのルノーが再びワークスチームを擁してF1復帰を果たすために、トロロッソの買収交渉を行っていることを認めていた。
マルコは、『Speedweek(スピードウィーク)』に対し、「もしルノーがマーケティングの目的によって違う形で自分たちが注目されるほうがいいと思っているのなら、チームの売却、あるいは2台のクルマを黄色にするための交渉を行うことになるだろう」と語った。
マルコによれば、ルノーではザウバーやフォース・インディアとの間でも同じような交渉を行っているという。
マルコはさらに、トロロッソに関する交渉にあたって、レッドブルはルノーの考えに耳を傾けるつもりはあると次のように語った。
「それによってパフォーマンスや施設の共同利用などが改善されるのであれば、イエスだね」
「もしルノーがそういう考え方に賛同できるのであれば、我々としてもよろこんで彼らと交渉するよ。これは、単に彼らにチームを売却するということだけでなく、彼らに2台の黄色いクルマを与えるという選択肢だってあるんだ」
一方、レッドブルについては、アウディにチームを売却することも考えているのではないかとのうわさもささやかれている。2015年のF1開幕戦オーストラリアGP後にはエンジンルールが変更されなければF1から撤退することもありうるとほのめかしたことで、そうしたうわさがさらに強くなっているのも事実だ。
だが、レッドブルは契約によって2020年までは参戦する義務を負っていると指摘するF1関係者もいる。
マルコも、アウディとは「何の話し合いも行われていない」とそのうわさを否定するとともに、契約があるからといって撤退できないわけではないと次のように付け加えた。
「BMWやトヨタだって長期契約を結んでいたんだ」
2002年からF1参戦を開始していたトヨタは、当時のコンコルド協定で2012年まで参戦するとの契約を結んでいた。だが、経済状況の悪化を理由に2009年シーズン限りでF1から撤退したという経緯がある。