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レッドブル「ライバルメーカーは決してメルセデスに追いつけない」

2015年03月20日(金)17:17 pm

レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコが、メルセデスエンジンが今後も長期にわたってF1界を圧倒し続けることになるだろうと主張した。

2014年から導入された新エンジンルールのもと、圧倒的な力の差を見せつけて2014年のチャンピオンに輝いたメルセデスAMG。ルノーエンジンを搭載するレッドブルもその差を縮めようと必死だが、2015年の開幕戦では両者の距離が縮まるどころか、ますます差が開いてしまったようだ。

このため、レッドブルでは声高に現在のエンジンルールを変更するよう求めている。

だが、本来であればシーズン中のエンジン開発は凍結されることになっていたが、ルールに抜け穴が見つかったことにより、今年は一定のトークンと引き換えにシーズン中にもパフォーマンス向上に向けた開発を続けることができることになっている。

「いや、トークンなど関係ないね」

マルコは『Speedweek(スピードウィーク)』にそう語ると、次のように続けた。

「このパワーユニット問題の核心は、開発が凍結されていたことだ。この(パワーユニットの)コンセプトへの準備が十分でなく、後手に回ったと分かったときにはもうすでに追いつくチャンスはまったくないんだ」

だが、マルコも、レッドブルのライバルチームたちがルール変更に同意することはないだろうと分かっている。

「すぐに変更するには全員一致の同意が必要だ。2017年からの変更は多数決によるが、メルセデスは4チーム持っているし、それはもっとも多い数だ。だから彼らを多数決で退けることもできないだろう」

レッドブルとルノーが苦しい状況に取り残されている一方、フェラーリエンジンは冬の間に大きな躍進を遂げることに成功している。メルセデスエンジンを搭載するウィリアムズのパット・シモンズ(チーフテクニカルオフィサー)も、フェラーリの今年のエンジンは基本的にはメルセデスと「同等」のところまで来ていると見ている。

さらに、これ以上ないほどの厳しいスタートを切ることになったマクラーレン・ホンダのエリック・ブーリエ(レーシングディレクター)でさえ、ホンダはそのうち「追いつくことができる」と自信を見せている。

だが、マルコはそんなことはありえないと次のように主張した。

「我々レッドブルは、こうしたルールによって制限を受ける限り、どのエンジンメーカーも決してメルセデスに追いつくことなどできないと信じている」

「現時点では、あのエンジン(メルセデス)を持っていなければ、チャンスなどないよ」

「私は、中期的に見てもホンダが追いつけるとは想像もできない。フェラーリのパフォーマンスだって、相対的なものだと見るべきだ。彼らは(メルセデスとの)差を縮めたりはできていないよ。ただ、昨年よりはよくなったというだけだ」

レッドブルが2015年シーズン開幕早々にこうした大騒ぎをしているのは、単にエンジン開発の凍結状態やルノーが問題を抱えているからだけではないと考えている者もいる。それは、天才F1カーデザイナーと称されるレッドブルの最高技術責任者エイドリアン・ニューイが手掛けた今季型車RB11のできが予想以上に悪かったためではないかというのだ。

事実、開幕戦のオーストラリアGPでは、ジュニアチームのトロロッソもレッドブルとさほど違わない速さを示していた。

だが、マルコはこうした見方を否定し、次のように付け加えた。

「いや、我々は単にクルマを調整するため走り込みが十分にできていないだけだ。(ダニール)クビアトはレースに出ることすらできなかったしね」

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