数々の困難をくぐり抜けて2015年F1開幕戦オーストラリアGPに乗り込んだまではよかったが、1周も走らずメルボルンを後にしたマノー・マルシャ。FIA(国際自動車連盟)の事情聴取を受けた末にペナルティは免れたが、次にバーニー・エクレストンの怒りが待ち構えていた。
アルバート・パークでFIAに説明を求められたチームCEOジョン・ブースは、最初からオーストラリアで走る気はなかったのではと「疑われても」仕方がないと認めている。
エクレストンは、前々からマノー・マルシャに警告を発していた。現行の商業契約によって、あと1戦でも欠場すればF1エントリーも2014年の賞金5,000万ドル(約60億円)も無効になると。
マノーの首脳陣は先週末、2台のマシンを予選通過させ、決勝に出る努力をしているといい続けていたが、けっきょく1基のエンジンも火が入ることはなかった。
FIAの聴取後に競技委員会は、チームがメルボルンで「レースを戦うべく、あらゆる妥当な努力を払った」と認めた。
その上で、「これ以上の措置は講じない」とした。
しかしエクレストンは16日(月)、マノー・マルシャに対してFIAとは別の処分を下すと明言。
「あのようなマノー・マルシャの行いは決して許してはならなかった」と『Reuters(ロイター通信)』に語るエクレストン。
「オーストラリアでレースする気などなかったのだ。まったくのゼロだ。きっと誰かがマシンガンを彼らの頭に突きつけても走れなかっただろう」
エクレストンの処分とは、30トンの機材をイギリスからオーストラリアに運んだ輸送費の請求だ。
「彼らには往復分を負担してもらう」「レースしなかったのだから払うのが当然だ」