2014年シーズン限りでフェラーリを更迭された元エンジニアリングディレクターのパット・フライが、フェルナンド・アロンソ(マクラーレンへ移籍)のほうがキミ・ライコネンよりも適応能力が高く、違うクルマでももっとうまく対応することができると語った。
アロンソはマクラーレン・ホンダへ移籍したが、ライコネンはフェラーリにとどまり、2015年シーズンには友人でもある元レッドブルの4年連続F1チャンピオンであるセバスチャン・ベッテルをチームメートに迎えることになる。
2007年にフェラーリでF1チャンピオンとなったライコネンだが、2010年と2011年はF1から離れてラリー選手権に参戦。そして2012年にロータスでF1復帰を果たすとその才能をいかんなく発揮してみせた。だが、2014年にフェラーリに復帰したものの、チームメートのアロンソには大きく差をつけられてしまっていた。
フェラーリを離脱したイギリス人エンジニアのフライは、自分にはそのライコネンの不振の理由が分かっていると主張している。
「2つの問題があったんだ」
ブラジルの『Totalrace(トータルレース)』にそう語り始めたフライは、次のように続けた。
「ひとつは、フェルナンドのほうが適応能力が高かったことだ。そしてもうひとつはクルマによる制約だった。特にタイヤはキミのドライビングスタイルにとっては難しいものだった」
「それはマクラーレンのときも同じだったよ」
1983年から2010年シーズン序盤までマクラーレンに在籍していたフライは、2002年から2006年にかけてドライバーを務めていたライコネンと一緒に仕事をしていたことがある。
「彼はクルマのフロント部に対してすごく神経質だったよ。彼と(ファン・パブロ)モントーヤが一緒だったころは、1シーズンに7つも違うフロントサスペンションを用意していたと思う」
当時を思い出しながらそう語ったフライは、次のように付け加えた。
「キミに最高の力を発揮させるためには、そうすることができるだけのクルマを彼に与える必要があるんだ」