メルセデスAMGが、今季型車W05のシャシーは今シーズンにおいてはこれまで4年連続でF1タイトルを獲得してきたレッドブルのクルマと「ほぼ同等」だと主張している。
今季ここまでのF1関係者の一般的な見方では、銀色をまとったメルセデスAMGのW05が圧倒的強さを誇っている理由は、主に非常に優れたV6ターボによる「パワーユニット」のおかげだとされている。
一方、ライバルのレッドブルは、ルノー製のパワーユニットが問題を抱える中、最高技術責任者であり、F1カー設計の天才と称されるエイドリアン・ニューイが設計したシャシーにより、なんとか比較的競争力を保つことができているのだと考えられている。
だが、メルセデスAMGのエンジニアリングディレクターとしてW05のシャシー設計に携わってきたアルド・コスタは、ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に対し、W05は「ほぼレッドブルと肩を並べる」ものだと主張し、次のように語った。
「特定のコーナー、特に高速コーナーでは、レッドブルのほうが我々よりも優れている。だが、そのほかのところでは我々のほうに強みがある」
「我々が計測したところによれば、フェラーリが我々の次にくるよ」、とコスタは付け加えた。
さらに、コスタはF1の新しいエンジンルールがF1のスピードを低下させてしまったという意見にも反論を行っている。
コスタは、なぜ2014年のラップタイムが遅くなっているのかを正確に計算することは「非常に簡単」なことだとし、本当は、クルマのスピードが失われた部分のほとんどをエンジンが補っているのだと次のように説明した。
「クルマは(2013年に比べ)50kgも重くなっている。それだけで1.5秒ほど遅くなってしまうんだ。ダウンフォースも減らされているし、これによってもコンマ5秒は遅くなる」
「それに加えて、タイヤもより硬めになっているんだ。こうした要素がなければ、(2013年よりも)もっと速く走れるはずだよ」、とコスタは締めくくった。