2023年シーズンは最下位に終わったマネーグラム・ハースF1チームは、過去10年にわたりチーム運営を率いてきたギュンター・シュタイナーが即時チームを去り、小松礼雄(こまつあやお)氏を新チーム代表に任命したことを発表した。
■オーナー「アヤオと共にポテンシャルを最大化する」
マネーグラム・ハースF1チームのチームオーナーであるジーン・ハースは、「まず、ギュンター・シュタイナーの過去10年間の努力に感謝し、彼の今後の活躍を祈っている」と感謝を述べ、今回の決断については次のように述べている。
「組織として前進するためには、トラック上でのパフォーマンスを向上させる必要があることは明らかだ。アヤオ・コマツをチーム代表に任命したことで、我々は根本的にエンジニアリングを経営の中心に据えることになった」。
「我々はいくつかの成功を収めてきたが、組織としてより大きな目標に到達するためには、一貫した結果を出す必要がある」
「我々は今あるリソースを効率的に使う必要があるが、設計とエンジニアリングの能力を向上させることがチームとしての成功の鍵となる。アヤオと協力し、基本的に我々のポテンシャルを最大限に発揮できるようにすることを楽しみにしている。これは、F1できちんと戦いたいという私の願望を如実に反映したものだ」。
■小松氏、エンジニアからチーム代表に昇格
エンジニアリング・ディレクターからチーム代表に昇格した小松新代表は、2016年からチーフ・レース・エンジニアとしてチームのデビュー・シーズンから在籍している。
エンジニアリングとマネジメントの両面で20年以上のF1経験を持つ47歳の日本人エンジニア小松氏は、ブリティッシュ・アメリカン・レーシング(BAR)でF1のキャリアをスタートさせ、その後ルノーに長く在籍し、ハース誕生と同時に移籍している。
小松新代表は今後、チーム代表としてビジネスのすべての競技要素を監督することになる。従業員の権限移譲や構造的なプロセスおよび効率性を通じて、チームの潜在能力を最大限に引き出すことを目的とし、チーム全体の戦略、そして最終的にはトラック上のパフォーマンスに対して責任を負うことになる。
レーストラック外でのチーム運営をさらに強化し、チーム代表としての小松新代表のパフォーマンス重視の体制をサポートするため、すべての非競争事項および部門を管理するためのヨーロッパを拠点とするチーフ・オペレーティング・オフィサー(COO=最高執行責任者)が任命される予定だ。
■小松新代表「F1での成功に情熱を注いできた」
「マネーグラム・ハースF1チームのチーム代表に就任する機会を得たことは、私にとって当然大きな喜びです」
「2016年のトラック・デビューからこのチームに携わってきましたが、私は明らかにF1での成功に情熱を注いでいます。私はチーム内のプログラムと様々な競技運営を指揮し、トラック上でのパフォーマンスを向上させる体制を構築できることを楽しみにしています」
「我々は成果主義のビジネスです。最近、競争力が十分でなかったことは明らかで、それが我々全員のフラストレーションの原因になっています。私たちはジーン(チームオーナー)やさまざまなパートナーから素晴らしいサポートを受けており、彼らの熱意を反映させ、サーキットでの製品を向上させたいと考えています」
「カナポリス(アメリカ)、バンベリー(イギリス)、マラネロ(イタリア)には素晴らしいチームがあり、ともに力を合わせれば可能な限りの結果を達成できると確信しています」。
2024年FIA F1世界選手権は、2月21日から23日にかけてバーレーン・インターナショナル・サーキットでプレシーズンテストが行われ、2月29日(木)から3月2日(土)にかけて同サーキットで開幕戦バーレーンGPが開催される。
ランキング最下位からどこまでチーム力を上げてくるか、小松新代表の活躍にも注目したい。