F1界のレジェンド、ミハエル・シューマッハの命運を分けたのは、決定的な3分間だったのかもしれない。
■最初は意識があった
今月末、偉大なるドイツ人シューマッハのスキー事故から丸10年が過ぎようとしている。これを機に、ドイツ人ジャーナリストのイェンス・ギデオンは、放送局『ARD(ドイツ公共放送連盟)』のためにシリーズを制作した。これにはフランスのアルプスの事故現場訪問を含んでいる。
『Kolner Stadt-Anzeiger』紙によると、彼は、2013年に事故現場にいち早く駆け付けた地元のスキー・インストラクターのアンドレに話を聞いた。
「ヘルメットは砕けていたんだ」とアンドレは当時を振り返る。
「カメラはまだヘルメットの上にあったよ」
ヘルメットカメラの映像は公開されていないが、ギデオンとアンドレによると、現在54歳のシューマッハは岩に頭を打ちつけた後、最初は意識があったという。
そのため、シューマッハは危険な状態にはなかったという誤った印象を初期対応をした救急隊員に与えた可能性があるという。
■ヘリコプターの中で容体が急変
しかし、空輸ヘリコプターが近くの小さな町ムーティエの病院に向かう途中、元フェラーリ/メルセデス・ドライバーのシューマッハの容体は急速に悪化した。
シューマッハは意識を失い気管挿管を受けたが、ヘリコプターはムーティエに着陸し、そこでほぼ即座に再び離陸し、より専門性の高いグルノーブルの病院に搬送することが決定されたという。
「シューマッハは3分早くグルノーブルに到着していたかもしれない」とギデオンは主張する。