先週末にインテルラゴス・サーキットで開催された今季のF1第21戦サンパウロGPでは、フェルナンド・アロンソが3位表彰台、そのチームメートであるランス・ストロールが5位入賞を果たし、アストンマーティンが期待以上の結果を残したと言っていいだろう。
しかし、アストンマーティンのチーム代表を務めるマイク・クラックは、ただでさえ過酷なレーススケジュールが組まれている現在のF1において3週連続開催とスプリント開催が組み合わされると、それに対応するのは「非常に困難」だと苦言を呈している。
■3週連続開催で2回スプリントは過酷過ぎる
「24レース中に6回スプリントを行うというのは、いいバランスだと思うよ」
オーストリアの『Servus TV(セアヴスTV)』にそう語り、2021年から導入されたスプリントが定着してきていることに関しては前向きな発言をしたクラックだが、現実的な運営方法に関しては再考すべき点もあると次のように付け加えている。
「シーズン終盤に海外で3週連続開催があり、そこでさらに2つのスプリントレースが行われるのは、チームにとって厳しいことなのだということも理解する必要があるよ」
実際、2023年F1シーズン終盤に行われた第19戦アメリカGP、第20戦メキシコシティGP、第21戦サンパウロGPは休む間もなく3週連続で開催されていた。しかもアメリカとサンパウロのレース週末にはスプリントフォーマットが適用されていた。
■過酷なスケジュールとスプリントは様々な問題を生む
前BMWモータースポーツ責任者であるルクセンブルク出身のクラックは、このようなスケジュールをこなすためには途方もない努力がチームに要求されることになるのだと強調している。
「フリー走行は非常に短い時間しかなく、さらにスプリント・シュートアウトもあるから、当然それが様々な混乱を招くことになるんだ」
そう語ったクラックは、スプリントがもたらす好ましくない副作用に関して次のように続けた。
「時には異なる戦略的展望を選択することもある。クールダウン走行で2周する者もいれば、1周しかしない者もいる」
「そして、それは常にコース上でマシン同士が鉢合わせすることにつながるんだ」
先週末にインテルラゴス・サーキットで起こった事例について言及しながらそう語ったクラックは、次のように付け加えた。
「非常に短いサーキットで20台のマシンが走るという事実がそれをさらに難しくしているのは明らかだよ。それがいつも問題を引き起こしてしまうんだ」。