もしもレッドブルから誘われたらどうするかという質問を受けたランド・ノリス(マクラーレン)の答えは、「ノーコメント」だった。
●【2023年F1チャンピオンシップ・ランキング】第21戦F1サンパウロGP終了後
■現在2番目に強いF1ドライバーとなったノリス
2019年にマクラーレンでF1デビューを飾ったノリスは、すでに非常に将来有望な若手ドライバーとして高い評価を受けている。そして、最近ではマクラーレンF1マシンのパフォーマンスが大きく向上したことで、現時点ではノリスが現F1チャンピオンであるマックス・フェルスタッペン(レッドブル)に最も近いライバルとなっている。
先週末にインテルラゴス・サーキットで行われた2023年F1第21戦サンパウロGP決勝でフェルスタッペンに次ぐ2位となったノリスは、2024年にはフェルスタッペンとタイトルを争うことになるのではないかと質問されると次のように答えた。
「もしかしたらね」
「僕はマックスにずっとこう言っていたんだ。このアップグレードをオーストリアに持ち込んでからは、僕は2番目に多くポイントを稼いだドライバーなんだよってね」
ノリスが言うように、第10戦オーストリアGP以降にノリスが獲得したポイントは183となっており、それを上回るのは、329ポイントを稼いだフェルスタッペンだけしかいない。つまり、現時点においてはノリスがフェルスタッペンに次いで2番目に強いドライバーだということだ。
■フェルスタッペンと組めばお互いに“完璧なチームメート”に?
26歳のオランダ人ドライバーであるフェルスタッペンとノリスが仲の良い友人であることはよく知られているが、もしもノリスがレッドブルに移籍すれば、フェルスタッペンにとっては「完璧なチームメート」になると考えている者も多いようだ。
先週末のインテルラゴス・サーキットでスペインの『DAZN(ダゾーン)』による独占インタビューに応じたノリスは、フェルスタッペンは自分にとって「完璧なチームメート」になると思うかと尋ねられると次のように答えた。
「いつの日か、マックスのチームメートになりたいと思っているよ」
「だけど、完璧なチームメート? ルイス・ハミルトンもすごいだろうし、フェルナンド・アロンソもエキサイティングだろうし、カルロス・サインツも・・・・・・」
そう語ったノリスは、微笑みを浮かべながら、次のように付け加えている。
「まぁ、噂は常にあるものだからね」
■本当にレッドブルから誘われたらどうする?
しかし、もしもレッドブルから誘いがあった場合には、それを受け入れるか、それとも拒否するかと尋ねられたノリスは、やはり微笑みながら次のように答えただけだった。
「ノーコメント。その質問はパスするよ」
ちなみに、ノリスは現在マクラーレンと2025年までの契約を結んでいる。
■ノリスに欲しいのは“優勝”
一方、ここまでF1で通算102レースを戦ってきたノリスだが、表彰台には13回上っているものの、まだその中央に立ったことは一度もない。
だが、今年マクラーレンからF1デビューしたチームメートのオスカー・ピアストリは、第18戦カタールGPのスプリントで勝利を収めている。ノリスにとってはこれがプレッシャーになりそうだが、本人は気にはしていないと主張している。
「僕は、スプリントレースでのポールを正式なポールポジションとして、あるいは、スプリントレースでの勝利を正式な勝利として数えたことは一度もないんだ」
そう語ったノリスは、次のようなジョークを添えている。
「僕の初優勝のときはカルロスと表彰台を分かち合いたいと思っているんだ。そうすれば初めて彼を上から見ることになるだろうね」
■ピアストリとのコンビはライバルチームにはない強み
ともあれ、マクラーレンが2023年シーズン中にマシンのパフォーマンスを大きく向上させ、レッドブルとの差を縮めてきていることを考えれば、ノリスが表彰台の中央に立つ日もそう遠いことではないかもしれない。
「困難な状況が続いていたよ。だけど、Q1敗退からレッドブル、メルセデス、フェラーリと戦えるようになるとは思ってもいなかったよ。それは僕たち全員にとってうれしい驚きだった」
そう語ったノリスは、これからピアストリと共に切磋琢磨できることがほかのチームに対してのアドバンテージになるだろうと次のように付け加えた。
「オスカーは今年素晴らしい仕事をしている。だから、チームにとっては僕たちがお互いにプレッシャーをかけ合うことが保証されているんだ。そして、全てのチームがそういう状況にあるわけじゃないよ」