F1最高経営責任者(CEO)のステファノ・ドメニカリが、2024年に向けてスプリントが行われる週末のフォーマットに大幅な調整が加えられる可能性があることを認めた。
●【2023F1第21戦サンパウロGP】決勝レース・全セッションの結果
今季のF1最終戦が行われるアブダビにおいてF1委員会が開催される予定となっているが、そこではフォーマットの修正を始め、スプリントレースにリバースグリッドや賞金制度を導入すること、さらにはスプリントを独立した選手権として実施することなど、多くの提案についての検討が行われることになると言われている。
■新たなフォーマットを試す必要があるとドメニカリ
F1商業権管理運営組織であるFOM(フォーミュラ・ワン・マネジメント)を代表する立場にあるドメニカリは、この件に関してドイツの『Speed Week(スピードウィーク)』に次のように語っている。
「このスポーツをより魅力的なものにするために、我々はあらゆる方向にアンテナを張っている」
「我々は新しいフォーマットを試し、あらゆるものに対して柔軟な姿勢であり続けなければならない。これは、持続可能性の話題に関しては特にあてはまることだ」
■2024年にはATA適用レースが増加か
実際のところ、FIA(F1統括団体の国際自動車連盟)とF1、そしてF1公式タイヤサプライヤーであるピレリは持続可能性の観点から、今年のF1第12戦ハンガリーGPと第15戦イタリアGPにおいてドライバー1人あたりのタイヤ割り当てを減らす実験を行っている。
ハンガロリンクとモンツァで試験実施されたATA(Alternative Tyre Allocation)と呼ばれるタイヤ供給方式では、各ドライバーには通常の13セットではなく、11セットのタイヤが供給され、それに伴って予選Q1はハード、Q2はミディアム、Q3はソフトの使用が義務づけられていた。そして、2024年にはこのATA適用レースがさらに増加するか、もしくはシーズン全体に拡大される可能性もあると考えられている。
ピレリの自動車レース責任者であるマリオ・イゾラは、ATAを導入することでドライバーに支給するタイヤが2セット減ることに言及しながら次のように語っている。
「2セットと言うとそれほど多くないように聞こえるが、もしシーズンを通してこれを実施できれば3500本分のタイヤ製造、輸送、リサイクルを節約できることになるだろう」
「基本的には、実験は成功だった」
「まだ取り組むべき細かいことも残されている。だが、全体的にはよかったよ」
■F1チームもATA導入には前向き?
伝えられるところによれば、大多数のチームが持続可能性の観点からATAの導入には前向きな姿勢だと考えられているようだ。
マクラーレンのチーム代表を務めるアンドレア・ステラは今年のハンガリーとイタリアで実施されたATAに言及しながら次のように語っている。
「ほとんどファンは、異なるタイヤ割り当て方式だったことに全く気付いてさえいなかったと思うよ」
「F1の魅力は少しも損なわれていなかったよ」
ともあれ、アブダビで開催されるF1委員会で2024年に向けてどのようなことが議論され、決定されるのかに大きな注目が集まるのは間違いないだろう。