メルセデスのルイス・ハミルトンは、第19戦アメリカGPと第20戦メキシコシティGPでは2戦連続で2位チェッカーを受けている。アメリカではレース後にマシンの規定違反が発覚して失格処分を受けてしまったものの、このところハミルトンのレースペースが向上してきているのは確かだ。
そして、それは最近メルセデス2023年型F1マシン『W14 E Performance』に導入された新しいフロアの効果によるものだと考えられている。
■メルセデスF1マシンの弱点は「空気抵抗」
しかし、ハミルトンによれば、メルセデスF1マシンにはまだ大きな弱点があるという。
「正直に言って、僕たちはストレートでものすごく遅かったよ」
そう語った38歳のハミルトンは、新たなF1技術レギュレーションが導入された2022年以降のメルセデスF1マシンは「かなり空気抵抗が大きい」のだと認めている。
「ターン1に入るときには、ブレーキングを開始する前の時点でコンマ2.5秒ほど失っていたよ」
先週末にメキシコシティGPが行われたエルマノス・ロドリゲス・サーキットでのパフォーマンスに言及しながらそう語ったハミルトンは、それとは対照的にレッドブルは「ストレートでは滑るようだ」と付け加えている。
■DRSもほかのチームより弱いとチーム代表
メルセデスのチーム代表を務めるトト・ヴォルフも、ハミルトンの指摘はそのとおりだと認めている。
「仮に我々が予選でポールポジションを獲得していたとしても、ストレートでのトップスピードがあまりに不足しているため、おそらくそのポジションを維持することはできなかっただろう」
「だが、それが来年に向けた開発の方向性だし、一歩近づけることを願っているよ。現時点での我々は空気抵抗が大き過ぎるし、我々のDRS(空気抵抗を減らすための可変リアウイング)もほかのチームたちと同じレベルにはない」
ドイツのテレビ局『Sport1(シュポルト1)』にそう語ったヴォルフは、次のように付け加えている。
「この2つのことが重なると時速4キロメートルから5キロメートルが犠牲になるし、そこで違いが生じてしまうんだ」。