ルイス・ハミルトン(メルセデス)は、今週末にブラジルのインテルラゴス・サーキットで行われる2023年F1第21戦サンパウロGP(5日決勝)では、レッドブルにもっと「近づく」ことができるかもしれないと考えている。
■昨年はブラジルで1-2フィニッシュしたメルセデス
ハミルトンは第19戦アメリカGPと先週末の第20戦メキシコシティGPの2戦連続で2位チェッカーを受けるなど、このところ上り調子だ。アメリカではレース後にマシンが規定違反だったと認定されて失格処分を受けたものの、ハミルトンのレースペースが上向いてきているのは間違いない。
しかも、昨年もレッドブルのマックス・フェルスタッペンが圧倒的な強さを発揮していた中、インテルラゴス・サーキットではメルセデスのジョージ・ラッセルが優勝し、ハミルトンも2位でフィニッシュしている。
つまり、最近のハミルトンの調子を考えれば、今週末もまた昨年と同じような波乱が起こる可能性もありそうだ。
■今週末に期待するハミルトン
先週末のメキシコシティGPでトップのフェルスタッペンと約14秒差で2位フィニッシュしたハミルトンは、レース後に次のように語っていた。
「マックスに近づくチャンスがあるんじゃないかと期待していたんだ」
「だけど、来週はそうなるかもしれないよ」
■今のフェルスタッペンを倒すのは難しいだろうとトト・ヴォルフ
メルセデスのチーム代表を務めるトト・ヴォルフももちろんそうなることを期待している。だが、ヴォルフはまだフェルスタッペンとレッドブルが明らかに優勢であるのは確かだと考えている。
オーストリア出身のヴォルフは次のように語っている。
「我々のパッケージがマックスを打ち負かすのに十分かどうかだね。ドライバー、マシン、パワーソースが組み合わさった彼らのパッケージは、現時点では非常に完成されているよ」
■より現実味があるのはハミルトンのランキング2位?
しかし、今後に向けて可能性があるのは、ハミルトンが苦戦を強いられているレッドブルのセルジオ・ペレスを追い詰め、最終戦アブダビGP(26日決勝)を終えた時点でランキング2位に浮上することだ。両者の差は3レースを残す時点で20ポイントに縮まっている。
「それは主にチェコ(ペレスの愛称)の週末次第だね」
そう語ったハミルトンは、次のように続けた。
「彼らにはタイトルを獲得したマシンがある。彼は不運だったと思う。いくつかの状況においてね」
「でも、正直なところ、2位だろうが3位だろうが、僕の人生に大きな違いが生じるわけではないよ」
7度F1チャンピオンとなった実績を持つ38歳のハミルトンはそう語ると、次のように付け加えた。
「ドライバー選手権で2位になれば、それはボーナスさ」
■ペレスにとって終盤のレースは2倍難しいものに
元F1ドライバーのティモ・グロックは、今季の残り3レースでペレスにのしかかるプレッシャーは非常に大きなものになるだろうと考えている。
「ハミルトンは、今はマシンをうまく操る方法を見つけ出している。レースペースは素晴らしいよ」
母国ドイツのテレビ局『Sky Deutschland(スカイ・ドイチュランド)』にそう語った41歳のグロックは、次のように付け加えている。
「そのため、ペレスにとって終盤のレースは2倍難しくなるだろう。彼がずぶとくやれるかどうかにかかっているよ」