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F1メキシコシティGPをクラッシュで終えたのはペレスにとって「最悪のシナリオ」だったと元F1ドライバー

2023年10月31日(火)17:09 pm

現時点ではドライバーズ選手権で2番手につけているものの、セルジオ・ペレスが今季限りでレッドブルのシートを失うのではないかという噂が根強くささやかれ続けている。

■地元メキシコで1周もできずに終わったペレス

先週末にエルマノス・ロドリゲス・サーキットで行われた今季のF1第20戦メキシコシティGP予選を5番手で終えた33歳のペレスは、決勝では地元のファンの大声援を受けながら見事なスタートを決め、チームメートのマックス・フェルスタッペン、そしてポールポジションからスタートしたシャルル・ルクレール(フェラーリ)と横並びになりながらターン1へと差し掛かった。

ところが、ペレスはここでルクレールと接触してしまい、マシンは宙に舞いながらコースアウト。なんとかピットに戻ったペレスだったが、そこで無念のリタイアとなってしまった。

■レッドブル首脳はペレス続投の意向を変えず

この結果を受け、レッドブルは噂の通り、今シーズンいっぱいでペレスを諦めるだろうとの推測が一段と強まってきているようだ。

だが、レッドブル首脳のヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)は、これまで何度もペレスと結んでいる2024年の契約を尊重するつもりだと語っており、つい最近もドイツのテレビ局『Sky Deutschland(スカイ・ドイチュランド)』に次のようにコメントしている。

「彼は2024年の契約を手にしている。そして、そうなるだろう」

■リカルドのレッドブル復帰に現実味?

しかし、フランスでF1放送を行っているテレビ局『Canal Plus(カナル・プリュ)』も、メキシコ人ドライバーのペレスが2024年も現F1チャンピオンであるフェルスタッペンのチームメートを務めることはないだろうと報じている。

そして、その場合、ペレスの最有力後任候補はレッドブルのセカンドチームであるアルファタウリのダニエル・リカルドだと考えている者が多いのは事実だろう。

実際、左手の骨折により5レースを欠場していた34歳のリカルドは、復帰2戦目となった先週末のメキシコシティGPの予選ではペレスを上回る5番グリッドを獲得すると、レースでも7位フィニッシュを達成して6ポイントを獲得。これによりコンストラクターズ選手権で最下位に沈んでいたアルファタウリはランキング8位に浮上している。

マルコも、メキシコシティGPでのリカルドのパフォーマンスには満足しているようだ。

「アルファタウリの多くのアップグレードが効果を発揮したようだ」と語ったマルコだが、メキシコでは「かつてのダニエル」の復活をF1界が目撃したとも述べ、次のように付け加えた。

「彼は、レース全体をよく見ながら、冷静かつスムーズに走っていたよ」

場合によっては、2024年にはリカルドが2018年シーズン以来となるレッドブル復帰を果たす可能性もあるかもしれない。

だが、その一方で、マルコはメキシコシティGP決勝でルクレールとクラッシュしてレースを終えてしまったペレスに関しては、果敢に挑戦した結果だったと擁護している。

■ペレスの「プレッシャーはさらに大きくなる」とグロック

しかし、ドイツ出身元F1ドライバーであるティモ・グロックは、今回のクラッシュがペレスの将来に与える影響は大きいはずだと考えている。

「これはペレスにとっては最悪のシナリオだ。これ(クラッシュ)はこれからの彼にとってさらに大きな痛手となるだろう」

「メキシコで自信を取り戻せるのではないかというかすかな希望の光が見えていたが、それとは逆のことが起こってしまった」

そう語ったグロックは、メキシコでペレスがノーポイントに終わったのに対し、ドライバーズランキング2位争いのライバルであるルイス・ハミルトン(メルセデス)が2位となったことで、2人の差が20ポイントに縮まったことに言及しながら次のように付け加えた。

「ハミルトンは、それによって多くのポイントを獲得した。難しい状況だし、今やプレッシャーはさらに大きくなっているよ」

今季も残り3戦となったが、ペレスとしては2024年のシートを確実なものとするためには何としてもレッドブルにとって初のドライバーズランキング1位と2位独占という記録達成を逃すわけにはいかないだろう。

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