ウィリアムズが、2023年F1シーズンの残り6戦を戦う上で、マシンのスペアパーツが不足してきていることを認めた。
■サージェントの度重なるクラッシュが痛手に
今季はアレクサンダー・アルボンとルーキードライバーであるローガン・サージェントのコンビで戦っているウィリアムズだが、22歳のアメリカ人ドライバーであるサージェントはまだF1マシンでの走行に完全に適応できておらず、何度もクラッシュし、マシンにダメージを与えてきている。
ウィリアムズで車両パフォーマンス責任者を務めているデイブ・ロブソンは、サージェントの度重なるクラッシュの影響で今季の残り6戦に向けたスペアパーツが不足してきていることを認め、ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に次のように語っている。
「我々はすでに製造済みのパーツを使用している。そのため、いずれかのパーツについては古い仕様のものを使わなければならないかもしれない」
「今回の海外遠征では、スペアパーツを各サーキットに運ぶための物流や輸送もさらに難しくなっているんだ」
■設備の老朽化もパーツ製造のネックに
今季からウィリアムズのチーム代表を務めているジェームズ・ヴォウルスによれば、スペアパーツの不足はチームにも原因があるという。
「我々の生産設備は20年前と同じレベルなんだ。現在、カーボンファイバー製パーツのために稼働しているオートクレーブは2台しかない」
「パーツの在庫を最新仕様に更新するためには、我々は外注しなければならない。それには時間もかかるし、コストも3倍かかってしまう」
「私はそうしたいと思っているが、2024年と2025年のマシンに資金を投入する方がいいんだ」
■サージェントには速さはあるとチーム代表
今季のフルタイムF1ドライバーの中で、まだ1ポイントも獲得できていない唯一のドライバーであるサージェントだが、ヴォウルスは忍耐強くその成長を待つつもりのようだ。
「彼はF1デビュー1年目だ。F1はルーキーにとっては難しい仕事なんだ」
「彼らはそのための準備がほとんどできない。そして、最前線で学ばなければならないからね」
そう語ったヴォウルスは、サージェントが今後F1にうまく対応できる兆候はたくさん見えていると次のように続けている。
「彼は鈴鹿での3回のフリー走行で、私が期待した通りのことをやってくれた。彼のQ1ラップでは、アクシデントが起きるまでアレックスとほぼ同じタイムを出していたよ」
「彼にはスピードがあることをそれが示しているんだ」
ヴォウルスは、ほかのインタビューにおいて、少なくとも今季いっぱいはサージェントを他のドライバーに交代させるつもりはないと明言している。
だが、最近の噂によれば、現在アストンマーティンのリザーブを務めている23歳のブラジル出身ドライバーであるフェリペ・ドルゴビッチがサージェントの後任候補に浮上してきているとも言われている。