2023年F1シーズンはここまでに14戦を消化しているが、レッドブルのマックス・フェルスタッペンが10連勝を含む12勝をあげており、実際のところ3年連続でドライバーズタイトルを獲得するのはもはや時間の問題となっている。
こうした中、ライバルチームであるメルセデスを率いるトト・ヴォルフ(チーム代表)は最近、レッドブルはフェルスタッペンを中心に勝てるチームを築いてきたとコメントしている。つまり、今のレッドブルの成功はフェルスタッペンというドライバーの存在に負うところが大きいということだろう。
しかし、このヴォルフの意見に、2005年と2006年のF1チャンピオンであるフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)が異論を唱えた。
■ドライバーがチームを築くわけじゃない
42歳のアロンソによれば、フェルスタッペンと、メルセデスで6回F1王座に就いたルイス・ハミルトンは、いずれもレギュレーションが変更された時に運よく勝てるマシンを手に入れただけだという。
「ハミルトンとフェルスタッペンが素晴らしいチームを作ったわけじゃないよ。レギュレーションの変化によるものだったんだ」
オランダの『De Telegraaf(テレグラーフ)』にそう語ったアロンソは、パワーユニットと呼ばれるハイブリッド方式F1エンジンが導入された2014年と、空力ルールが大きく変わった2022年に言及しながら、次のように続けた。
「ルイスがメルセデスに行った時、彼は何も築いてはいなかった。単にレギュレーションが変わったことが彼を助けただけだよ」
「マックスが、トロロッソとレッドブルに加わった時、ハミルトンはまだ勝ち続けていた。彼(フェルスタッペン)は勝てるレッドブルチームを築いてはいなかった」
「2021年の彼らはかなり互角だった。そして、昨年からレギュレーションが変わったことで、今はレッドブルが今シーズンここまでのレース全てで勝っている」
「最終的には、いい時にいい場所にいることだけが必要なんだ」
そう語ったアロンソは次のように付け加えた。
「だから、自分の周りにチームを“築いた”と言われても、それがどういう意味なのか、僕にははっきりとわからないよ」
■次のチャンスは2026年か
アロンソの言うことには確かに一理あるかもしれない。そうであれば、次に大きなレギュレーション変更が行われる2026年にいいチームにいることがドライバーとして成功するためのカギとなりそうだ。
そして、その2026年にアロンソがまだ現役F1ドライバーを続けているのかどうかにも興味が持たれるところだろう。
アロンソは、2026年の7月には45回目の誕生日を迎えることになる。