レッドブルのセルジオ・ペレスが、状況によっては2024年にほかのチームへの移籍を考えなくてはならない可能性もあると認めた。
●【2023年F1チャンピオンシップ・ランキング】第15戦F1イタリアGP終了後
■シート喪失の噂もささやかれるペレス
33歳のメキシコ出身ドライバーであるペレスは2023年シーズン序盤には現F1チャンピオンであるチームメートのマックス・フェルスタッペンとほぼ互角のパフォーマンスを示していた。
だが、ペレスはその後スランプに陥ってしまい、しばらく前からこのままレッドブルのシートをキープするのは難しいだろうという噂がささやかれるようになっている。
ペレスは2024年までの契約を結んでいるものの、最近レッドブル首脳のヘルムート・マルコが、その契約は必ずしもチームでの「仕事」を保証するものではないと発言したこともあり、F1関係者の中には、すでにレッドブルはペレスを来季のドライバーラインアップから外すことを決めているのではないかと推測している者さえいるようだ。
■チームに貢献できなければ別の可能性を探す必要も?
こうした中、ペレスは今季のF1第15戦イタリアGPが開催された先週末のモンツァで、『DAZN(ダゾーン)』に次のように語った。
「毎年いろいろなことを学んでいるし、僕がこのスポーツが大好きな理由はそれだよ」
「常にいろいろなことを学んでいるけれど、何よりも重要なのは、自分のミスから学ぶことなんだ」
「今シーズンの状況からすれば、これからの数レースで自分が貢献できると思えるような状況を作ることが重要になる」
「そして、もし2024年にそうするための場所がここにないのであれば、別の可能性を探さなければならなくなるだろうね」
「だけど今は、僕の一番の目標はここにいることだし、より多くのレースで勝って、レッドブルと一緒にタイトルを獲得し続けることさ。僕には来年まで契約があるし、来年どこかの時点でじっくりと話し合うことになるだろう」
■フェルスタッペンに近づくことができている
先週末のイタリアGP決勝を5番グリッドからスタートしたペレスは、メルセデスのジョージ・ラッセル、フェラーリのシャルル・ルクレールとカルロス・サインツをとらえて、フェルスタッペンに次ぐ2位でフィニッシュしている。
これで、ペレスは第10戦オーストリアGP以降の6レース中4レースで表彰台に上っており、予選ではまだ納得のいく結果は出せていないものの、少しずつ調子が上がりつつあるのは間違いなさそうだ。
レッドブルにとって通算47回目となる1-2フィニッシュをフェルスタッペンとともにモンツァで達成したペレスは、次のように続けた。
「今では悪い時期は過ぎ去ったと思っているし、マシンのフィーリングもかなりよくなっているよ」
「今年はいい形で終えることができるだろうと思っている。僕はマックスにかなり近づいたけど、今のところ彼はこのマシンで絶好調だし、僕はそうではない」
「毎週末、僕がそのレベルに到達するのは難しいことだけど、間違いなくかなり近づいているよ。そして、今後のレースでそこに到達できることを願っているところさ」
「苦しいときだってあるよ。こういうプレッシャーの中でこの環境にいるのは簡単ではないからね」
■フェルスタッペンとペレスの違いはどこに?
現時点ではフェルスタッペンに次ぐドライバーズランキング2番手につけているペレスだが、すでにフェルスタッペンには145ポイントもの大差をつけられている。
F1ではフェルスタッペンよりも4年長い経験を持つペレスだが、フェルスタッペンとの力の差は認めざるを得ない状況のようだ。
「マックスのチームメートでいることは簡単じゃないよ。だけど、旅を楽しみ、そういう瞬間を楽しむのを忘れないことが重要なんだ」
「僕は自分のベストを尽くすことができるし、そして、それが自分でコントロールできることの全てなんだ」
「マックスは、僕がF1に来て以来、見たこともなかったようなレベルのドライビングをしている」
「彼はミスをしないし、常に限界レベルの走りをしている。それが大きな違いなんだ。彼はずっと自分のレベルを維持することができていて、僕にはそれができていないということさ」
■マシン開発が進むにつれて運転が難しくなった
そう語ったペレスは次のように続け、レッドブル2023年型F1マシンの開発が進むにつれて自分のドライビングが難しくなってきたのだと示唆している。
「マシンが進化するにつれて、僕の負担は大きくなってきたんだ。改良パーツが投入されたときには、僕は運転しながらいろんなことを考えなければならなかったし、もちろん、そういうときはクルマをオートマで運転しているときほど簡単ではないよ」
「最近のレースでは、僕にとってはやることがたくさんあったよ」とペレスは付け加えている。