現在フェラーリのドライバーを務めている25歳のシャルル・ルクレールと28歳のカルロス・サインツは、いずれも現在の契約は2024年までとなっている。
■ドライバーたちの去就に注目が集まる不振のフェラーリ
今季もフェラーリはタイトル争いどころか、勝利を狙える位置にもつけておらず、ルクレールもサインツも現状に大きな不満を抱えていると伝えられている。
こうした中、モナコ出身ドライバーであるルクレールが、ほかのチームへの移籍を視野にいれているようだとの噂もささやかれるようになっている。
■ルクレールには新契約を締結の噂
だが、最近、イタリアの複数のメディアが、ルクレールはすでにフェラーリとの新たな契約にサインしたようだと報じている。
それらの報道によると、ルクレールは2025年と2026年の2年契約を結んだが、その契約にはさらに3年の追加オプションが設けられており、総額では約1億8,500万ユーロ(約300億円)にも達するという。
ロシアの著名なF1コメンテーターであるアレクセイ・ポポフは、自身のポッドキャストで、ルクレールにとってはフェラーリ残留が最善の策だろうと次のように語っている。
「彼にはほかに行くところがあるだろうか? 彼がチャンピオンになれるようなところはないよ」
「ブラウンGP(2009年)のようなことが起こることも歴史が示しているが、それを事前に計算するのはほとんど不可能だ。だから、ルクレールの立場で考えれば、フェラーリに留まって風向きが変わるのを期待するほうがいいよ」
■サインツはアウディと事前契約?
一方、スペイン出身ドライバーのサインツに関しては、2026年にザウバー(現アルファロメオ)と組んでF1活動を開始することになっているアウディと実際に事前契約のようなものを交わしたという噂もある。
アウディは、2026年に正式にF1活動を開始するにあたり、スイスに拠点を構えるザウバーの株式の75パーセントを取得し、自分たちのワークスチームとして参戦することを計画しており、すでにその準備が進められているところだ。
だが、アウディに関しては、これまでF1プロジェクトを推進してきたマルクス・ドゥスマン会長の辞任が突然発表され、9月からはゲルノート・デルナーが新会長に就任することが明らかになったことなどから、上層部において何らかのトラブルが発生しているのではないかとの噂もささやかれるようになっている。
2026年に新たなF1エンジンレギュレーションが導入され、それに伴ってF1マシンも再び大幅に変わることが予想されている。それだけに、現在のチームとの契約がそれまでに満期を迎えることになるドライバーたちはそれに向けたF1や各チームの動きを注視しながら、自分にとって最善と考えられる方向性を検討していくことになりそうだ。