長年にわたってレッドブルのエンジニアリングチームを率いてきたイギリス人エンジニアのロブ・マーシャルがマクラーレンに移籍することには、目に見えない別の何かがあるのかもしれない。
■レッドブル&アルファタウリとフェラーリの交渉は難航
レッドブルとフェラーリは、2024年にアルファタウリの新代表となるローラン・メキースの放出について、水面下で議論と交渉を続けている。
フェラーリはレッドブル傘下のアルファタウリが最近発表した方法を「攻撃的」と評し、今のところ合意には至っていない。
一方、アルファタウリF1の現代表フランツ・トストは「ローランが来ないなら、少なくとも(新CEO就任予定の)ピーター・バイエルがいる」とバルセロナで語っている。
フェラーリF1代表のフレデリック・バスールは、次のように述べた。
「ローランはまだ我々と繋がっているのだから、我々はレッドブルとアルファタウリとの契約の解決策を見つけなければならない」。
■レッドブルからロブへの尊敬の念を感じられた
しかし、長年エンジニアリング責任者として務めてきたロブ・マーシャルがマクラーレンのチーフデザイナーになることが決まった時、レッドブルF1とマクラーレンから同時にプレスリリースが配信されると、パドックでは笑顔が溢れ、バラ色のプレスリリースとして報じられた。
マクラーレンのボスであるアンドレア・ステラはバルセロナで「レッドブルは、ロブが果たした役割をよく理解していると思うし、それが人に対する尊敬を呼び起こすのだと思う」と語った。
「外から見た限りでは、レッドブルがロブに対して尊敬の念が感じられ、それは見ていて良かった。そして、プレスリリースを出す時、それは明らかにチーム間で合意されたものだった。だからこそ、調整できたんだ」。
■フェルスタッペン、ロブの損失は未知数だが移籍は理解できる
2年連続世界チャンピオンのマックス・フェルスタッペンも、レッドブルの現在の成功の重要な柱のひとつを失ったことを支持するような声を上げた。
「彼はすでに2026年に向けて、将来のプロジェクトに多くの時間を割いていたんだ。僕は、新世代のクルマに取り組んでいる他の全員がまだそこにいるので、彼が離れたことがどの程度重要なのかを見積もるのは難しいと思う」とフェルスタッペンは『Viaplay』に語っている。
また、ヘルムート・マルコ博士と同じように、マーシャルが巨額の報酬に釣られたように見えるという意見にも同意した。
「もし誰かがそのようなオファーを受けたら、彼が乗り換えることはもちろん理解できる」とフェルスタッペンは言う。
「彼はもう50代だと思うから、数年間はしっかり稼げるだろうし、もちろんそれは理解している」
■マクラーレン・フォードRBPTが誕生?
そんな中、1つの噂が飛び交い始めている。このロブ・マーシャルの移籍には、実は2026年以降にマクラーレンがレッドブル・パワートレインズと契約するということが含まれているのかもしれないということだ。