今週末に開催されるF1スペインGP(4日決勝)の注目ポイントのひとつは、バルセロナ・カタルーニャ・サーキットのレイアウト変更がレースにどういう影響を及ぼすかということだろう。
■最終コーナー手前のシケインが撤廃されたバルセロナ
今年は、昨年まで同サーキットの最終コーナー手前にあったシケインが撤廃されており、これにより昨年までは全長4.675キロメートルだったコースが今年は4.657キロメートルとわずかに短くなっている。
そのシケインは最初から存在していたわけではなく、以前はホームストレートの手前に2つの高速コーナーが連続していた。だが、安全性の向上と、オーバーテイクの増加を目的として、2007年からはその2つのコーナーの間にシケインが加えられていた。
スペイン出身ドライバーであるフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)は当時、そのシケインはあまり好ましいとは思わないと次のように語っていた。
「僕はあまり好きじゃないよ。最後の2つのコーナーが本当に好きだったし、それがなくなるのは寂しくなるだろうね」
だが、今年2月にそのシケインを廃止し、再びかつてのコースレイアウトに戻されることが発表され、同サーキットの広報担当者はその際に次のような説明を行っていた。
「新たな保護材と減速システムにより、そのコーナーを元の状態に戻すことができることになった」
広報担当者が言及した新たなシステムには、現在では主流となりつつあるテックプロバリアなどが含まれているという。
■これによってレースがもっと楽しくなるだろうとアロンソ
そして、現在41歳のアロンソは、17年ぶりに元の形に戻ったコーナーを2023年型アストンマーティンF1マシンで走るのを楽しみにしているという。
「こういう形で走れば、もっと楽しくなるんじゃないかと思っているよ」
スペインの『Diario Sport(ディアリオ・スポルト)』にそう語った2005年と2006年のF1チャンピオンは次のように続けた。
「あのセクションは、僕たちのマシンにとってはあまりにも遅すぎたからね。あそこを走るのは楽しくはなかったよ。だけど、この新たなデザインがオーバーテイクに役立つかどうかは様子を見ていく必要があるかもね」
■タイムと戦略がどう変わるのかに興味津々のサインツ
アロンソと同じスペイン出身ドライバーであるカルロス・サインツ(フェラーリ)も、自身にとっては初めての体験となるバルセロナの新レイアウトでの走行を楽しみにしているようだ。
「それによって見応えのあるものになると思うから、僕はこのレイアウトに戻すことにしたF1と主催者の決定を全面的に支持しているよ」
「レースでのタイムと戦略がどういう風に変わるのかがすごく興味深いね」
■マドリードがライバルとして浮上したバルセロナ
一方、バルセロナ・カタルーニャ・サーキットには今後に関する不安要素もある。F1が将来スペインGPの開催地をマドリードに移すことを検討しているという噂があるためだ。
「我々には2026年まで有効な契約がある」
「我々は連続で33回のグランプリを開催してきた。そして我々は自分たちの現実と施設の改善に集中し、このイベントを楽しみにしている」
そう語った同サーキットの責任者を務めるホセ・ルイス・サンタマリアは、次のように付け加えている。
「我々の望みと使命は、何年にもわたってF1と一緒に続けることだし、関係は非常にいいよ」。