フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)によれば、自分がドライバーを務めていた頃のフェラーリと現在のフェラーリの最大の違いは「一貫性のなさ」だという。
■自他共に認める今季のフェラーリの一貫性不足
実際のところ、現在のフェラーリに一貫性がないことは、すでにフェラーリのシャルル・ルクレールやカルロス・サインツも指摘していることであり、今年からチーム代表としてフェラーリを率いているフレデリック・バスールも、先週末に行われた今季のF1第5戦マイアミGPを振り返りながら次のように語っている。
「我々は1台ごとに、そして1周ごとに、あまりにも一貫性がなかったよ」
■ニューウェイ引き抜きに動いていたフェラーリとメルセデス
2023年F1シーズンは、ここまでの5レースを全てレッドブルが制しており、そのうち4レースは1-2フィニッシュを飾るという圧倒的な強さを示している。
最近のニュースによれば、そのレッドブルの成功の立役者だと考えられているエイドリアン・ニューウェイ(チーフテクニカルオフィサー)に、フェラーリとメルセデスの両チームがオファーを出していたようだ。
不振にあえぐメルセデスやフェラーリとしては、天才F1マシン設計者とも称される64歳のニューウェイを引き抜くことで自分たちのマシンのパフォーマンスを向上させるとともに、レッドブルに打撃を与えたいところだろう。
しかし、ニューウェイは最近、レッドブルとの間に新たな契約を交わしたことが明らかとなっている。
現役最年長F1ドライバーである41歳のアロンソは、この件に言及しながら、テレビ局『Sky Italia(スカイ・イタリア)』に次のように語った。
「エイドリアン・ニューウェイは、これまで常にほかのものより優れたマシンを作ってきたと思う」
「それは常に難しいことだ。だけど、それがF1の本質なんだ」
■レッドブル全体を今のままでキープしたいとフェルスタッペン
今年、F1ドライバーズタイトル3連覇を狙うレッドブルのマックス・フェルスタッペンは、ニューウェイが最終的にライバルチームたちからのオファーを拒否し、レッドブルとの現在の契約を延長したことに安堵しているようだ。
「僕には契約があるから2028年までは僕にはその影響はないよ。だけど、エイドリアンが残ってくれるのはもちろんすごくうれしいよ」
25歳のオランダ出身ドライバーはそう語ると、次のように付け加えている。
「だけど、それはチームの全員に言えることだよ。本当にうまくやれているときは、グループ全体をそのままキープしたいと思うものだからね」
■自分がいた時期のフェラーリには競争力があったとアロンソ
もちろん、仮にニューウェイがフェラーリに移籍していたら、それが現在の問題を解決する鍵になったかどうかはまた別の話だ。
2010年から2014年までイタリアのマラネロに本部を置くフェラーリで戦っていたアロンソは、たとえ有名なイギリス人デザイナーがいなくても、その時期のフェラーリは非常にうまくいっていたと考えている。
「フェラーリとして、あの数年間は常に戦える位置にいたよ」
「決してミスは犯さなかったし、その4年間のうち3年間は最終戦までタイトルを争っていたんだ」
そう語ったアロンソは、現在では自分たちにとってのライバルであるフェラーリについて次のように付け加えている。
「僕にとって、そしてアストンマーティンにとっても幸運なことに、今のマラネロには以前よりも少し一貫性が欠けているよ」。