2009年F1世界王者のジェンソン・バトンは、フェラーリとの契約に「かなり寸前」まで行ったことを認めている。
■フェラーリに乗りたかった
バトンは、第3期ホンダF1を引き継いだブラウンGPで2019年のF1チャンピオンになった後、マクラーレンに移籍したが、その間にフェラーリとの交渉があったことを認めている。
「フェラーリでレースをしたいといつも思っていたよ」と彼は『La Gazzetta dello Sport』に語った。
「本当にそうしたかったんだ。そして、僕はとても近づいていたんだ」
「ステファノ・ドメニカリ(元フェラーリF1代表/現F1 CEO)がいた時、僕たちは何度も話をした。契約の多くの点についてすでに話していたが、その後、彼は去ってしまった。そして、契約は決裂した」
「それ以来、一切連絡はなかった。本当に残念だ。エキサイティングだっただろうね」
2010年のフェラーリは2冠のフェルナンド・アロンソと契約をし、バトンはマクラーレンへ移籍した。
■重圧の大きいF1ドライバーにはメンタルコーチが必要
しかし現在、43歳のバトンはイギリスのテレビ局の解説者としてパドックにも出入りし、ウィリアムズのアドバイザーであり、ナスカーやル・マンにも時々出場するなど、いまだレース活動を続けている。
バトンは、最近はずっとリラックスしていることを認めている。
「F1が大好きなんだ。17年間ここにいて、それが僕の仕事であり、僕の人生だった。でも、そのせいで自分勝手になってしまう」
「あまりのプレッシャーから、ある時、もっとリラックスしてレースを続けたいと思うようになったんだ。ただ楽しむためにね」
「ドライバーたちは、一般的にこの点において助けが必要だと思う。多くのスポーツ選手にはメンタルコーチがいるが、F1ではそうではない。僕には一人もいなかったし、ある時点からあまりにも負担が大きくなってしまったんだ」
■F1は恋しいけど今のクルマで運転したくない
「F1マシンを運転するのが恋しいよ、だって世界で一番美しいんだからね。他のクルマとは比較にならないよ」
「でも正直言えば、僕らの時代のクルマと同じように、今のクルマでレースをしたいとは思わないよ」。