イタリアの『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』が報じたところによれば、レッドブルの2人のトップレベルエンジニアがフェラーリからオファーを受けたものの、これを断ったという。
■レッドブルからトップエンジニアたちの引き抜きを目指したフェラーリ
同紙によれば、その2人とは、レッドブルのテクニカルディレクターであるピエール・ワッシェと空力責任者のエンリコ・バルボだという。
最近、フェラーリがレッドブルから2人のエンジニアを引き抜いたとの報道が行われていたが、その2人がワッシェとバルボのことだったのかどうかは現時点では不明だ。
しかし、同紙は、それは今回報じられている2人とは別人だと示唆するように、次のように付け加えている。
「ほかのエンジニアたちはフェラーリに来ることになるが、彼らは昨年マッティア・ビノット(前チーム代表)が採用した20人と同じように中堅レベルの人物だ」
■数年前にはダン・ファローズとも交渉
また、同紙によれば、フェラーリはかつてレッドブルの空力責任者を務めていたダン・ファローズの獲得を狙っていたものの、その交渉は決裂してしまったのだと次のように付け加えている。
「フェラーリがこのイギリス人エンジニアの金銭的要求に応じようとしなかったため、すべてが決裂してしまったのだ」
ファローズは、最終的にはアストンマーティンに移籍し、2022年4月からテクニカルディレクターを務めている。
■メキースのアルファタウリ移籍時期は?
人材流出が続いているフェラーリだが、今季からチーム代表としてイタリアの名門F1チームを率いているフレデリック・バスールは、現在「大規模なリクルート作戦を展開している」ことを認め、次のように付け加えている。
「我々はしばしば去っていく者たちの名前にこだわるが、その一方では、ほかの者たちが大勢来ているよ」
一方、現在フェラーリのレーシングディレクターを務めているローラン・メキースが、今季いっぱいでチーム代表の座を退くフランツ・トストの後任としてアルファタウリに移籍することも決まっている。
現時点では具体的にいつメキースがアルファタウリに移ることになるのかは決まっていないようだが、もしもレッドブルがフェラーリと契約したエンジニアを長期の「ガーデニング休暇」なしでフェラーリに加入することに同意すれば、メキースを早期解放することもいとわないだろうと考えられているようだ。
■フェラーリの問題はリーダーシップと安定性だと元チームマネジャー
こうした中、かつてフェラーリのチームマネジャーを務めた経験を持ち、後に鈴木亜久里のスーパー・アグリF1プロジェクトにも関与していたダニエル・オーデットは、母国イタリアの『Corriere della Sera(コリエーレ・デラ・セラ)』紙に、現在のフェラーリには「明らかにリーダーシップと安定性に問題がある」と指摘している。