アルファタウリのチーム代表を務めるフランツ・トストが、今季いっぱいでチーム代表から降りるのは自分で決めたことであり、レッドブルの新CEOによって追い出されることになったわけではないと主張した。
■トストがチーム代表を退くことになった理由は?
67歳のトストは、ミナルディがレッドブルによって買収されてトロロッソ(現アルファタウリ)として生まれ変わった2006年からずっとイタリアのファエンツァに本拠を構えるチームを17年間にわたって率いてきている。
しかし、アルファタウリは4月26日(水)に声明を出し、トストが2023年シーズン後にチーム代表から退くことを発表した。
だが、メディアの中には、世界的エナジー飲料メーカーである『レッドブル』の最高経営責任者であったディートリッヒ・マテシッツが昨年亡くなり、その後継者としてオリバー・ミンツラフがコーポレートCEOに就任したことが、トストの追放とフェラーリから現在レーシングディレクターを務めているローラン・メキースを新チーム代表として迎えることにつながったのだと推測しているものもある。
だが、オーストリア出身のトストは、このほど次のように語った。
「ローランは我々と一緒に始めたんだ」
「5年か6年か7年前に彼と冗談を言ったのを覚えているよ。『これから君はほかのチームへ行ってそこで教育を受け、何かを学ばなくてはならない。その上で、君は復帰するんだ』とね」
■トストがヘルムート・マルコの後任候補との噂も
トストは少し前に、70歳になったら自分はもうピットウォールにいるつもりはないと語っていた。
そのトストに関しては、先日80歳になったばかりのヘルムート・マルコ(レッドブル/モータースポーツアドバイザー)の後任候補に挙がっているという噂もある。
しかし、トストは「F1を去るにはベストな時期だと思っているよ」と語り、次のようなジョークを付け加えた。
「ヘルムートはあとまた80年はここにいるだろうね」
そのマルコは少し前に、現在のアルファタウリは財政的にも競争力にも厳しい状況にあるのは事実だと認め、それに対処するためには改革を行う必要があることを認めていた。
しかし、トストは自分の去就に関しては誰かほかの者によって決められたわけではないと次のように主張している。
■別れを告げる時が来たのだとトスト
「それは私が決めたことだ。そして、それは2年前に決めていたんだ」
「当時、私はディートリッヒと話し合ったんだ。というのも、私は67歳だが、若いころはリーダーはその椅子にしがみつくべきではないと常に自分に言い聞かせていたからね」
「それよりも、私は若い人、頭のいい人、クリエイティブな人、やる気のある人にその仕事を任せたいと思っている。今、私は70歳に近づこうとしているし、別れを告げる時なんだ」
そう語ったトストは、次のように付け加えた。
「私はF1を愛している。だが、それは終わらなければならない物語なんだ。とりわけ、これからCEOとなるピーター・バイエル、そしてローラン・メキースという2人の素晴らしい人物がいて、私のあとを継いでくれるんだからね」。