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「ここまでは角田裕毅に完敗だ」アルファタウリのニック・デ・フリースに早くもF1シート喪失の危機?

2023年05月03日(水)17:10 pm

今年アルファタウリのフルタイムシートを得た28歳のオランダ人ドライバーであるニック・デ・フリースだが、シーズンが始まってわずか4戦を終えた時点ですでに「解雇」される危機を迎えているのではないかと考えられているようだ。

●【2023F1第5戦マイアミGP】タイムスケジュール

アルピーヌへ移籍したピエール・ガスリーの後任として2023年にアルファタウリで角田裕毅のチームメートを務めることになったデ・フリースだが、ここまでの4レースでは、角田がリタイアに終わったアゼルバイジャンGPのスプリントを除けば、予選と決勝でまだ一度も角田を上回る結果を残すことができていない。

それに加え、先週末のバクーでは予選と決勝の両方でクラッシュするというミスも犯してしまっている。

■バクーでのミスは自分の責任だとデ・フリース

それについて、デ・ブリースは母国オランダの『De Telegraaf(テレグラーフ)』に次のように語っている。

「完全に僕のミスだったし、完全に僕の責任だ。非常にばかげた無用のミスだった」

「僕にできるのは自分を見ることだけだし、誰かのせいにすることもできないから、僕がその結果の責任を負わなければならないよ」

「言い訳をするつもりはないんだ。英語では『雨が降るときには土砂降りになる(悪いことは重なるものだという意味)』と言うしね。幸いなことに、すでにこれからマイアミで別のレースがあるよ」

■デ・フリースはチャンスを生かせていないとヤン・ラマース

しかし、デ・フリースにとっては先輩となるオランダ出身元F1ドライバーで、現在はオランダGPの運営責任者を務めているヤン・ラマースは、デ・ブリースはすぐに調子を上げる必要があると考えている。

66歳のラマースは、バクーでのデ・フリースのクラッシュに言及しながら、『NOS(オランダ放送協会)』に次のように語っている。

「もしもアロンソやハミルトンがそれをやっても、彼らはすぐに許されるし、彼らにはそういうことはしないという定評もある。しかし、ニックにとってそれは一番必要のないことなんだ」

「無慈悲な世界だし、実際のところ、あのマシンはポイント獲得が可能なレベルにあったんだ。だから、ポイントがとれるはずだったのにそれができなかったということは、いつになったらとれるんだろうね?」

「彼にはいいパフォーマンスを見せるチャンスがあったのに、それを生かせなかった」

実際のところ、現時点で今季まだ1ポイントも獲得することができていないドライバーは、デ・フリースとウィリアムズのルーキードライバーであるローガン・サージェントだけとなっている。

■強くなるレッドブルからのプレッシャー

2019年のF2チャンピオンであるデ・フリースだが、すぐにF1に昇格するチャンスはなく、メルセデスのテストドライバーやリザーブドライバーを務めながらWEC(世界耐久選手権)やフォーミュラEに出走。フォーミュラEでは2020-2021シーズンに年間チャンピオンに輝いている。

そして、2022年もメルセデスのリザーブドライバーを務めていたデ・フリースは、モンツァで行われた第16戦イタリアGPで虫垂炎を患ったアレクサンダー・アルボンの代役としてウィリアムズでF1デビューするチャンスを得た。

そして、そのF1デビュー戦で9位に入賞するという活躍を見せたデ・フリースは、アルピーヌへ移籍を望むガスリーの後任を探していたレッドブルの目にとまり、2023年のフルタイムシートを獲得するに至っていた。

「モンツァでは、ストレートでは最速のマシンがあったことから、思いがけない幸運で注目を集めることができた。彼がこのシートを獲得できたのはそのためだったんだ」

そう語ったラマースは、次のように付け加えた。

「彼は今、自分にそれほどプレッシャーをかけてはいない。だが、私はフランツ・トスト(アルファタウリ/チーム代表)とヘルムート・マルコ(レッドブル/ドライバープログラム責任者)からプレッシャーをかけられているのだと思う」

■こうしたことが続けば「解雇」もありえる?

そして、WECなどでの活躍が知られるロシアのレーシングドライバー、エゴール・オルツェフは、デ・フリースはすでにレッドブル首脳のマルコの怒りを買ってもおかしくない状況にあると考えているようだ。

「こういうことが続けば、ヘルムート・マルコが彼を解雇すると思うよ」

母国ロシア『Championat(カンピオナ)』にそう語った27歳のオルツェフは次のように付け加えている。

「正直なところ、結果がよくなり、ニックが角田との差を縮めてくるだろうと僕は予想していたよ。だけど、ここまでのところは完全に失敗だね」。

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