レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーが、昨年の予算上限違反騒動に乗じてライバルF1チームがレッドブルからスポンサーを「盗もうとした」と報じられたことに対して、それを否定する発言を行った。
■2021年のバジェットキャップ違反をライバルが利用
昨年、F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)が、レッドブルが2021年のバジェットキャップ(チーム予算上限)に“軽微な違反”をしていたと判定し、700万ドル(現在のレートで約9億4000万円)の罰金とともに2023年の風洞実験時間10パーセント削減するというペナルティーを科している。
2005年からチーム代表としてレッドブル・レーシングを率いてきたホーナーは、今年に入ってから母国イギリスの日刊紙であう『i(アイ)』に対し、次のように語っていた。
「こういったことはライバルに利用されるものなんだ」
「そのうちの1チームが我々のスポンサーやパートナーに接触し、我々が彼らのブランドの評判を落とすことになるだろうと示唆したんだ。それはまさにずるいやり方だった」
このホーナーの発言を受けて、ライバルF1チームがレッドブルからスポンサーを奪おうとしたのだと報じたメディアもあった。
■ライバルはスポンサーを奪おうとしていたわけではない
だが、このほどテレビ局『Sky Deutschland(スカイ・ドイチュランド)』からこの件について尋ねられたホーナーは、自分はレッドブルのライバルが積極的にスポンサーを「盗もうとした」と非難したわけではないと次のように語った。
「それは、スポンサーを盗もうとしたということではなかったんだ」
「その意図は、スポンサーたちに対して、彼らのパートナーシップによってブランドの評判が落ちる可能性があると示唆することだったんだ」
実際のところ、ホーナーは自分たちのスポンサーやパートナーたちに接触したライバルチームがどこだったのかは明言していない。だが、それはトト・ヴォルフがチーム代表を務めるメルセデスだったと考えられている。
最近、ハースのチーム代表を務めるギュンター・シュタイナーが、ホーナーとヴォルフが「お互いに殺したいと思っているように見えることがある」と語ったことも報じられている。
『Sky Deutschland(スカイ・ドイチュランド)』から、実際にレッドブルのスポンサーたちに接触してきたライバルは誰だったのかと尋ねられたホーナーは次のように答えている。
「それは皆さんの想像にお任せするよ」。