レッドブル首脳のヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)が、自身に関する最近の噂に関してコメントを行った。
2023年F1シーズンもここまでのところはレッドブル・レーシングが圧倒的な力を示しており、3年連続でドライバーズタイトルを、そして2年連続でコンストラクターズタイトルを獲得する可能性が非常に高いと考えられている。
だが、そのレッドブル内部に、今後に向けて大きな影響を及ぼす可能性がある問題が潜んでいるのではないかとも考えられている。
■マルコやアルファタウリのボスに更迭の噂
世界的エナジー飲料メーカーであるレッドブル社の共同設立者であり、最高権威の座にあったディートリッヒ・マテシッツが昨年亡くなったことを受け、現在ではオリバー・ミンツラフがレッドブル社のスポーツ部門担当CEOとなっている。
だが、最近の噂によれば、かつてマテシッツの右腕とも呼ばれていたマルコと47歳のミンツラフが対立関係にあり、近い将来79歳のマルコがレッドブル・レーシングを去ることになる可能性があるという。
さらに別の噂では、レッドブルのセカンドF1チームであるアルファタウリのパフォーマンスが芳しくないとともに、財務状況的にも厳しい状況を迎えていることから、チーム代表であるフランツ・トストが更迭される可能性もあると言われている。
そうした噂についてスイスの『Blick(ブリック)』から質問を受けたマルコは、次のように答えている。
「私に言えるのは、水曜日(26日)にレッドブルと一緒にザルツブルク(本社)にいるということだけだ。そして、そういう話題がそこでの議題となることはないよ」
■マルコやトストの後任候補はベッテル?
しかし、そうした噂は根強くささやかれ続けており、最近では昨年F1を引退したセバスチャン・ベッテルがマルコあるいはトストの後任になるのではないかという憶測まで出てきている。
実際のところ、マルコ自身も少し前に、レッドブル在籍時の2010年から2013年にかけて4年連続でF1チャンピオンとなったベッテルがマネジメント的役割でレッドブルに戻ってくる可能性はあると示唆していた。
現在35歳のベッテルについて尋ねられたマルコは、次のように答えている。
「我々はまだ連絡を取り合っているよ」
「セブ(ベッテルの愛称)は、現時点ではまだ自分探しの段階にあるんだ」
そう語ったマルコは、微笑みを浮かべながら次のように付け加えている。
「しかし、彼がはるかに少ない報酬のために再び全てのレースに足を運んで一層きつい仕事をすることを望むとは、私は思わないよ」
■レッドブルを去っても困ることはないとマルコ
しかし、元F1ドライバーでもあるオーストリア出身のマルコは、F1やレッドブルとの長い関わりに終止符を打つ可能性がないわけではないと示唆している。
「複数のホテルのオーナーである私の強みは、非依存性だ」
「しかし、現在のように(マックス)フェルスタッペンという最高のドライバーと一緒にいられるのであれば、辞任は問題ではないよ」
「別のパイロット(ドライバー)とペアを組むということになれば、私の状況も間違いなく変わってくるだろうね」
■アゼルバイジャンでのレッドブルのライバルは?
最後に、今週末にバクーで行われるF1第4戦アゼルバイジャンGP(30日決勝)では、ライバルチームであるメルセデスやフェラーリがレッドブルとの差を詰めてくると思うかと質問されたマルコは、次のように答えている。
「メルセデスはもちろん新しい改良パーツで盛り返してくるだろう」
だが、マルコは、今季からフェラーリを率いている新チーム代表フレデリック・バスールのこれまでの対応には疑問を感じているようだ。
「フェラーリも問題を抱えていたが、私が理解できないのは、バスール(チーム代表のフレデリック・バスール)が全てを肯定的に捉え続けていることだよ」とマルコは付け加えている。