最悪のシーズンスタートとなってしまったフェラーリのシャルル・ルクレールだが、チーム代表のフレデリック・バスールによれば、そのモチベーションは全く失われていないという。
■大きく出遅れた2023年のフェラーリ
2023年のF1はここまでに3戦を消化しているが、現時点ではレッドブルがライバルたちを寄せ付けない強さを見せているのは間違いない。
一方、開幕前にはそのレッドブルの最大のライバルとなると考えられていたフェラーリだが、現時点ではレッドブルばかりか、アストンマーティンとメルセデスにも先行を許す形となっている。
それは、モナコ出身ドライバーであるルクレールが開幕戦バーレーンGPはエンジントラブルでリタイア、第2戦サウジアラビアGPでは規定数を超えるエンジンコンポーネントを投入したことから10グリッド降格ペナルティーを受けて7位フィニッシュ、そして第3戦オーストラリアGPではスタート直後に他車と接触してそのままグラベルの上でレースを終えてしまったことが大きく響いているのは確かだ。
■ルクレールのモチベーションに変化はないとバスール
今年からフェラーリのチーム代表を務めているフランス出身のバスールは、ドイツの『Speed Week(スピードウィーク)』に次のように語った。
「バーレーンでリタイア、ジェッダ(サウジアラビア)ではペナルティー、メルボルン(オーストラリア)でもリタイアだった」
「間違いなく、シャルルはシーズン序盤を全く違うものにできるという自信を持っていた。そして、全く思うようにはいかなかった」
「だが、私は彼がいつもと同じモチベーションを持ち続けていると思っている。3レースで彼の心的状態が変わることはないよ」
■ルクレールが不機嫌なのは当然のこと
しかし、F1関係者やメディアの多くは、ルクレールが示すボディーランゲージから、彼が気持ちを奮い起こすのに苦労しているのは確かだと考えているようだ。
だが、そうした指摘に対し、バスールは次のように主張した。
「ドライバーはレース後すぐにインタビューに応じることが多いし、うまくいかなかったときにはフラストレーションを隠すのが難しいんだ」
「正直に言って、もし彼が完全に冷静であれば、私はもっと心配するだろうね。彼が不機嫌なのは理解できるよ」
「私は彼と、そしてカルロス・サインツともじっくりと話をしたよ。我々全員が、自分たちがベストを尽くせなかったことがわかっている。だが、それがドライバーの責任ではないことも確かだ」
「我々は今の状況を改善するために懸命に取り組んでいるところだ」
■今後のばん回が期待されるフェラーリ
現在、スペイン出身ドライバーのサインツがランキング5番手につけているものの、3戦中2戦でリタイアとなったルクレールはわずか6ポイントしか獲得できておらず、現時点ではランキング10番手という想定外の位置に沈んでしまっている。
今季まだ1度も表彰台に上ることができていないフェラーリが今後どのようなばん回を見せるのかに注目していきたいところだ。