ドイツ出身の元F1ドライバーであるクリスチャン・ダナーは、レッドブルのセルジオ・ペレスが現F1チャンピオンであるチームメートのマックス・フェルスタッペンを破って2023年のドライバーズタイトルを獲得する可能性は「全くない」と考えている。
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■フェルスタッペンは信じられないほど優れたドライバー
1980年代後半にザクスピードやアロウズでF1を戦った経験を持つ64歳のダナーは、今季の第2戦サウジアラビアGPではマシントラブルによって予選Q2で敗退したものの、決勝でのフェルスタッペンの走りはドライバーとしての成長ぶりを示すものだったとオーストリアの『Servus TV(セアヴスTV)』に次のように語った。
「最初の数周は、私は彼がどこにいるのかわからなかった。しかし、彼はマシンを次々にオーバーテイクしていたよ」
「論議を呼ぶようなこともなく、厄介な状況もなく、非常に賢く、非常に冷静だった」
「彼がどれほど成長したのか、そして、今では信じられないほど優れたドライバーであることがわかるだろう」
■ペレスに勝ち目はない
そう語ったダナーは、今年で13年目のF1シーズンを迎えた経験豊かなドライバーであるとは言え、ペレスがフェルスタッペンに勝てるとは思えないと次のように続けた。
「もちろん、ペレスはフェルスタッペンに勝つことができると信じている」
「でも、部外者の立場で言わせてもらえば、彼に勝ち目はないよ」
■「すべてうまくいっている」と主張するペレス
しかし、ペレスはレッドブルではチームメート同士が戦うことを許しており、自分にもチャンスはあると主張している。
33歳のメキシコ出身ドライバーであるペレスは、30日(木)にアルバート・パーク・サーキットで次のように語っている。
「僕の意見だけど、概して、すべてうまくいっているよ。そして、メディアが単にマックスとの関係に関する話題を大げさに報じているだけさ」
サウジアラビアGP予選でマシントラブルが発生したことで、フェルスタッペンが15番グリッドスタートとなったチャンスを生かしてポール・トゥ・ウィンを達成したペレスは、現在フェルスタッペンと1ポイント差のランキング2位につけている。
■レッドブルドライバー同士のバトルは期待できない
だが、元F1ドライバーのアンソニー・デビッドソンも、今年のF1はレッドブルが強すぎるだけに、少なくともフェルスタッペンとペレスによるチームメートバトルが見所になるだろうと期待している者もいるだろうが、そういう人たちは失望することになるだろうと考えている。
かつてBARやスーパーアグリで活躍した43歳のデビッドソンは、母国イギリスの『Evening Standard(イブニング・スタンダード)』に次のように語っている。
「この2人によるタイトル争いを望むのは無理な注文だと思うよ」
■「今年は誰もレッドブルには近づけない」とアルピーヌのレーシングディレクター
ともあれ、全23戦で争われる2023年のF1選手権はまだ2戦が終わっただけに過ぎないものの、フェルスタッペンが難なく3年連続のチャンピオンに輝くのは間違いないと考えている者が多いのは事実だ。
ファンとしては、接戦を期待したいところだが、今のところフェラーリやメルセデス、そして今季躍進著しいとは言え、アストンマーティンもレッドブルを脅かす存在にはならないと考えられており、非常に長い2023年のF1シーズンが、ある意味では退屈なものとなる可能性は避けられないかもしれない。
アルピーヌのスポーティングディレクターを務めるアラン・パーメインは、スペインの『Diario Sport(ディアリオ・スポルト)』に「今年は誰もレッドブルに近づけないように思える」と語り、次のように付け加えている。
「正直なところ、彼らは1周あたり1秒のアドバンテージを持っているように見えるよ」