ここまでの2レースではレッドブルに大きな差をつけられているフェラーリだが、チームがその理由を完全に理解するまで、2023年型F1マシン『SF-23』に大幅な修正を加えるのは控える方針のようだ。
■タイトルを争うには積極的なマシン開発が必要
今年フェラーリで5年目のシーズンを迎えているモナコ人ドライバーのシャルル・ルクレールは、今週末に第3戦オーストラリアGP(4月2日決勝)が行われるメルボルンのアルバート・パーク・サーキットで30日(木)に、今年のタイトル獲得は「まだ可能」だと思うと語っている。
だがルクレールは、そのためには積極的にマシンを開発しなければならないことをフェラーリもわかっているとし、次のように続けた。
「何も問題はないし今週末は勝利のために戦うことができる、なんて言って自分たち自身をごまかすことはできないよ」
「だけど、シーズンは長いし、僕たちには今後のレースでマシンをアップデートする計画もあるんだ」
■改良マシン投入はイモラでのエミリア・ロマーニャGP
実際のところ、今週末にアルバート・パークで走るフェラーリF1マシンにもいくつか微調整が加えられているようだ。だが、もっと大規模な変更が施されたマシンがお目見えするのは、F1がヨーロッパに戻ってきてからになりそうだ。
イタリアの『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』は、次のように報じている。
「我々が理解している限りでは、もっと後で、イモラ(第6戦エミリア・ロマーニャGP/5月21日決勝)になるだろう」
「本当のタイトル争いは、5月21日にイモラで始まることになる」
イモラで投入される修正版フェラーリF1マシンは、現在大きな課題となっているタイヤの摩耗を抑えるために、特にリアサスペンションに大きな変更が施されたものになると考えられている。
■レッドブルと戦うためには全てを改善することが必要
ルクレールのチームメートであるスペイン人ドライバーのカルロス・サインツも、メルボルンで次のように語っている。
「レッドブルが圧倒的な強さを誇っている。そして、僕たちはレースでは1周あたりコンマ8秒も劣っている」
「このマシンは運転しやすいものではないんだ。だけど、僕たちはその理由は理解している。明確な弱点があるわけではないんだ。だから、差を縮めるためには文字通り全てを改善する必要があるよ」
『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』は、フェラーリはサスペンションの改良だけでなく、マシンのフロアの変更に関しても、「レッドブルからインスピレーションを受ける」ことになるだろうとしている。