F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)は、今季のF1第2戦サウジアラビアGPでフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)に対するチグハグなペナルティ問題が起きたことを受け、そのプロセスの見直しを検討することを明らかにした。
●【最終結果:2023F1第2戦サウジアラビアGP】決勝レースのタイム差、周回数
■ペナルティのプロセスを見直すとFIA
41歳のアロンソはジェッダ・コーニッシュ・サーキットで行われたサウジアラビアGP決勝を3位でフィニッシュして表彰台に立った。
だが、その後、レース中にアロンソが5秒ペナルティを消化するためにピットで停車していた際、アストンマーティンのメカニックがジャッキでマシンに触れていたとして、FIAのレース競技委員はアロンソに10秒のペナルティを科すことを決定。アロンソはこれにより4位に順位を下げることになってしまった。
しかし、アストンマーティンはこれに対して即座に抗議を行い、ペナルティ消化中にメカニックがマシンに触れても実際に「作業」をしていないケースはほかにも数多くあると主張。
最終的に、FIAは自分たちの判断が間違っていたことを認め、アロンソの3位表彰台が復活している。
フランスの『L’Equipe(レキップ)』によれば、FIAはこの状況に関して再調査を行うことにしたという。
「この問題は、3月23日(木)に開催される次回のスポーツ諮問委員会で議論されることになります」
そう語ったFIAの広報担当者は次のように付け加えた。
「その後、オーストラリアGP(4月2日決勝)の前に明確な説明がなされる予定です。プロセスを見直し、改善するための今回のオープンな取り組みは、スポーツを公正かつ透明性をもって管理するというFIAの継続的な使命の一部です」
■ファンにとってもいいことではないとアロンソ
最終的に無事に表彰台が確定したとは言え、もちろんアロンソは今回のペナルティ問題に不満を感じている。
「FIAはこの件に関してはいい仕事をしたとは言えないね」
ドイツの『Bild(ビルト)』紙にそう語ったアロンソは、次のように続けた。
「ペナルティを科してそれをチームに伝えるのに35周もかかるのは、ファンにとっていいことではない。さらに、表彰式の後まで待たなければならないとしたら、このシステムは何かが本当に間違っている」
「ファンには申し訳なく感じているよ。FIAは常識をもって行動するべきだ」
アロンソはこの件について『DAZN(ダゾーン)』にも次のようにコメントしている。
「僕にはどうでもいいことさ。シャンパンを持って表彰台に上ったし、僕たちのスポンサーもみんな表彰台に上ったからね。だけど、FIAがやったことはすべて少しばかり間違っていたよ」。